集中したい時や寝る前など、ちょっとだけスマホを触るつもりが気がついたらSNS やショート動画を見出して
気がついたら時間を無駄にしてしまった経験ありませんか?
そこで多くの人が考えるのがスマホデトックスです。
でも、これだけデジタルな社会にどっぷり使っているとLINEで人と繋がっていたり、ニュースの情報源はスマホから取る時代なので完全に「スマホ断ち」することは不可能なのではないでしょうか。

結局は「使いすぎないように気をつける」という精神論に頼るしかないのが現状でした。

そこでおすすめしたいのが、Bigme社の「Hibreak」。
E-Inkディスプレイを搭載したスマートフォンサイズの電子ペーパーデバイスです。
この端末は、スペックや機能面で一般的なスマートフォンに劣る部分もありますが、きっとそれ以上の「価値」を提供してくれる点が魅力です。

YouTubeでもレビューしてます
📋 スペック表

項目 | スペック |
プロダクト | 電子ペーパースクリーンリーダー (スマートフォン型) |
モデル | Bigme Hibreak |
ディスプレイ | E-ink(モノクロ版とカラー版の2種類) |
解像度 | 5.84インチ モノクロ: 720 x 1440 (276 ppi) |
5.84インチ カラー: 720 x 1440 (92 ppi) | |
フロントライト | 36段階調光 |
CPU | 8コア 2.3GHz |
メモリ(RAM) | 6GB |
ストレージ | 128GB (microSDカードで最大1TBまで拡張可能) |
OS | Android 11 (オープンシステム) |
カメラ | 前面: 5MP / 背面: 13MP |
Wi-Fi | 2.4GHz / 5GHz |
Bluetooth | 5 |
SIMカード | 非対応 (スロットはあるがLTE通信機能なし) |
モバイルネットワーク | 非対応 |
GPS | 対応 |
ジャイロスコープ | 対応 |
スピーカー | 内蔵 |
マイク | 内蔵 |
ポート | USB Type-C |
バッテリー | 3300mAh |
本体サイズ | 76.8 x 154 x 8.6 mm |
重量 | 170g |
技適 | あり |
その他 | ファンクションボタン、AI機能 (Bigme V2Tアプリ) |
今回レビューするのは、モノクロバージョンです。別途、カラーE-inkディスプレイのモデルも存在します。
🌟 特徴

- E-ink電子ペーパーディスプレイ搭載
- Android 11 OS対応でGoogle Playストア利用可能
- 36段階調整可能なフロントライト
- カスタマイズ可能なファンクションボタン
- AI機能搭載(音声録音の要約機能など)
- 省電力設計
- スマホサイズの携帯性
- 「GPSも内蔵しているので、Wi-Fi接続時なら地図アプリでの現在地確認なども可能
- 技適取得済み
Bigme Hibreakの最大の特徴は、E-inkディスプレイを採用している点です。
これは、長時間の読書や文章作成でも目が疲れにくく、屋外の直射日光下でも視認性が高いという利点があります。

また、普通のスマホと同じAndroid OSを採用しているため、Google Playからお好みのアプリをインストールできる拡張性も魅力です。
ただし、E-inkディスプレイの特性上、動画視聴やゲームには、あまり向いていません。
そのちょっとだけ不便な点が「スマホ断ちに」役立つはずです。
ディスプレイのバックライトは、36段階調整可能。
暗い場所でも適度な明るさに設定もでき、寝る前の電子書籍の閲覧をしても睡眠の質を下げない点は、嬉しいポイントです。

さらに、側面のファンクションボタンをカスタマイズできるため、頻繁に使う機能をワンタッチで起動できる利便性も備えています。
開封レビュー

まず驚いたのが、最初から画面保護フィルムが貼られ、さらにクリアなTPUケースまで装着された状態で入っていること!
これは地味に、いや、かなり嬉しいポイント!別途フィルムやケースを探して購入する手間とコストが省けます。

付属品は、USB Type-Cケーブル、SIMピン(後述しますが、ちょっと皮肉な付属品…)、簡単な説明書など。
必要最低限ですが、十分です。
説明書は英語と中国語のみでしたが、基本的な操作はAndroid端末と同様なので、それほど困ることはありませんでした。

Bigmeの公式サイトには、LTEも使えると記載があったため、SIMスロットにSIMカードを入れようと何度も試みました。
しかし、どうやってもSIMカードを納めることができなかったことから、この製品はどうやらWi-Fiかテザリング環境下で使う製品ということがわかりました。

背面には、ABS樹脂でできており、指紋がつきにくい皮のようなシボ加工がされてます。
重量は170gと軽く見た目の重厚さに反して軽快。長時間持っていても疲れにくいでしょう。

右側面には電源ボタン、音量調節ボタン。

左側面には、カスタマイズ可能なカスタムボタンが配置されています。
開封して電源を入れると、セットアップ画面が表示されます。
ここで言語設定やWi-Fi接続などの初期設定を行いますが、E-inkディスプレイの性質上、通常のスマホより動作がもたついて見えるかもしれません。
しかし、これはE-inkの特性であり、バッテリー持ちの良さと目への優しさと引き換えと考えれば納得できるでしょう。
ちなみに、箱の底に「Made in China」と書かれていましたが、Bigmeは中国のメーカーで、この端末も中国製です。
しかし、日本での使用に必要な技適はしっかり取得済みなので、安心して利用できます。
Bigme Hibreak 使用感:E-inkスマホとの付き合い方を探る
UIと画面表示:E-inkディスプレイの実力は?

ホーム画面が表示されました。見た目はごく普通のAndroid 11の画面です。アイコンが並び、ウィジェットも配置できます。
操作感は、やはりE-ink特有のレスポンス。最新スマホのようなヌルヌルサクサク感はありません。
しかしながら、過去のE-ink製品を使ったことがある人にとっては、こんなにキビキビ反応するの?と驚くはずです。

まず、モノクロ表示(276ppi)は、かなりクッキリしていて見やすいです。
Kindle Paperwhite(300ppi)と比較するとわずかに劣りますが、実用上、ほとんど差は感じませんでした。
さすがE-ink、直射日光下でも文字がハッキリ読めるのは素晴らしい!公園のベンチで読書、なんてシチュエーションに最高ですね。

電子書籍体験:
KindleアプリやKoboアプリを入れてみました。
テキストベースの小説を読むのは非常に快適。
文字はクッキリ、背景は紙のような質感で、長時間読んでいても目が疲れない感じがいいですね。

しかし、マンガとなると、少し評価が分かれるかもしれません。
まず、5.84インチという画面サイズは、マンガを読むにはやや小さいと感じました。
見開きページはもちろん、1ページ表示でも少し窮屈。
そして、表示のppiが低いため、細かい描き込みや、吹き出しの中の小さな文字(ルビなど)が潰れて読みにくい場面がありました。
これはppiと画面サイズの両方が影響していますね。
マンガをメインで楽しみたいなら、やはりもう少し画面の大きなE-inkタブレットや、通常のスマホ・タブレットの方が適しているかもしれません。
リフレッシュレートと動画視聴
E-inkの弱点といえば、画面の書き換え速度(リフレッシュレート)の遅さと残像感です。
HibreakにはE-inkセンターという項目から表示モードを選ぶことができます。
ハイリフレッシュレートを要求される動画視聴や、ゲームをプレイする際は、用途に応じて変更するとさらに快適になります。
表示モードは、「デフォルト」「マガジン」「コミック」「Video」「カスタム」の5種類です。
後者の方を選ぶにつれてリフレッシュレートが高くなる反面、バッテリー消費が多くなるので使用場面によって切り替える方が良い気がします。
また、このE-inkセンターの設定項目から「画面リフレッシュ」の頻度も設定可能。
これは、前の画面の残像が気になる場合に行うことで残像をスッキリ消去できます。
動画視聴

YouTubeアプリを入れて試してみました。
結果、「見れなくはないけど、積極的に見たいとは思わない」というのが正直な感想です(笑)。
映像はカクカク、色も褪せた感じで、まるで昔の白黒テレビを見ているような感覚。残像も若干気になります。
これならきっと「つい動画を見てしまう」という悪習を萎えさせてくれるはずです。
おすすめの使い方として、画面を見るのではなく「聞き流し」コンテンツ、例えばラジオやポッドキャスト、あるいは画面を見ずに音声だけを楽しむYouTubeチャンネルなどには最適かもしれません。
特に寝る前、ブルーライトを浴びずに音声コンテンツを楽しみたい、なんて使い方にはピッタリです。
操作性:物理ボタンとソフトウェアボタン

タッチ操作の反応は前述の通りですが、側面にあるファンクションボタンの存在は大きいです。
- 1クリック・・・戻る
- ダブルクリック・・・画面リフレッシュ
- 長押し・・・ライトスイッチ(バックライトの点灯ON/OFF)
私はダブルクリックに「画面リフレッシュ」を割り当てて使っていますが、これが非常に便利。
ウェブページをスクロールした後など、残像が気になった時にサッとボタンを押すだけで画面がクリアになります。
また、画面上にソフトウェアベースのフローティングボタン(ナビゲーションボール)を表示させることもでき、こちらにも様々なショートカットを割り当てられます。
スクリーンショット、ホームに戻る、タスクキルなど、よく使う操作を登録しておくと、操作性が向上します。
AI機能:どこまで使える?
音声を要約してくれるAIアプリ「Bigme V2T」を試してみました。このアプリは、デフォルトでインストールされているものです。
試しに上のYouTube動画を10分ほど聞かせて(録音)、テキスト化と要約を実行。

お、思ったよりちゃんとテキスト化されています。
製品名まではしっかり聞き取れていませんが、要約も、まあまあポイントを捉えている感じ。
長時間の会議などで、どれだけ精度を保てるかは分かりませんが、ちょっとしたメモやアイデアの記録には使えそうです。
ただ、正直なところ、このデバイスで積極的に録音・要約機能を使うシーンは限られるかな、という気もします。




このほか、AIチャット、文章作成、AI画像生成ができる別のアプリもプリインストールされてました。
日本では「Apple Intelligence」が登場したばかりですが、この端末は、すでにそれと同じことをやってるなんて、何て恐ろしい子なの!?
カメラ:意外と使える?
リア13MPのカメラでいくつか写真を撮ってみました。
画質は…まあ、記録用と割り切れば十分使えるレベルです。
明るい場所ならそれなりに綺麗に撮れますが、暗い場所や動きのある被写体は苦手。
メモ代わりに書類を撮影したり、QRコードを読み取ったりするには問題ありません。
電子ペーパー端末にカメラが付いているだけでも珍しいので、付加価値としてはアリですね。
バッテリー持ち:E-inkだから長持ち?…とは限らない?

「E-inkはバッテリー持ちが良い」というのが定説ですが、Hibreakの場合は少し注意が必要です。
読書アプリをメインに使う、といった用途なら、ほとんど電力は消費しないので長持ちするでしょう。

ロック画面のスクリーンセーバー(時計やカレンダーを表示可能)にしてデスクに置いておくのも良さそうです。
しかし、Android OSがバックグラウンドで動作しており、Wi-Fi通信も常時行っているので放電はそれなりにしていきます。
さらに、頻繁な画面の書き換え(ウェブブラウジングや動画視聴など)や、フロントライトの使用は、それなりにバッテリーを消費します。
特に、フロントライトの輝度を上げたり、動きの速い表示モードを使ったりすると、思ったよりもバッテリーの減りが早いと感じるかもしれません。
使い方にもよりますが、「充電なしで1週間持つ!」というような過度な期待はせず、まあ普通のスマホと同じか、少し長いくらい、と考えておくのが無難でしょう。
それでも、通常のスマホよりは確実に省電力のはずですが、「E-inkだから爆裂に持つ!」というわけではない、ということです。
SIMカード非対応という割り切り
スペック表にも記載しましたが、このHibreak、SIMカードスロットはあるものの、LTEなどのモバイルデータ通信には対応していません。
つまり、Wi-Fi環境下で使うか、スマホからのテザリングが必要になります。
開封時にSIMピンが入っていたのは、microSDカードスロットと共用だから、という理由のようですが、ちょっと紛らわしいですよね(笑)。

これは、Hibreakを「スマホ」としてではなく、あくまで「Wi-Fi運用が前提の多機能電子ペーパーリーダー」と捉えるべき、というメーカーからのメッセージなのかもしれません。
外出先で常にネット接続が必要な使い方には向きませんが、自宅や職場、カフェなどのWi-Fi環境で使う、あるいはオフラインでダウンロード済みの電子書籍を読む、といった用途がメインになるでしょう。
この「SIM非対応」という点が、Hibreakの評価を大きく左右するポイントだと思います。
人によっては大きなデメリットと感じるでしょうし、逆に「通信機能を制限することで、よりデトックス効果が高まる」とポジティブに捉えることもできます。
Kindleとの比較:Android OS搭載の強み

電子ペーパー端末の代表格であるKindleと比較すると、Hibreakの最大の強みはやはりAndroid OSを搭載している点です。これにより、
- 様々な電子書籍ストアアプリを利用可能(Kindle, Kobo, honto, BookWalkerなど)
- ニュースアプリやブラウザで情報収集が可能
- メモアプリや簡単なツールアプリも使える
- (一応)動画や音楽も再生できる
といったメリットがあります。まさに「ポケットに入る多機能電子書籍リーダー兼ライトなAndroid端末」といった立ち位置です。
Kindleは読書に特化している分、シンプルで動作も安定していますが、Hibreakはより多機能で拡張性が高いと言えます。
満員電車の中でも片手で操作できるスマホサイズである点も、Kindle Paperwhiteなどと比べた際の利点です。
価格と購入先

Bigme Hibreakの価格は以下の通りです
同じような目的で使えるデバイスと比較してみると、Kindle Paperwhiteが約16,000円、Boox Poke 5が約25,000円程度です。
そう考えると、Bigme Hibreakは若干高めの価格設定ですが、単なる電子書籍リーダーではなく、Androidアプリが使えるスマホサイズの電子ペーパーデバイスという点を考慮すれば、使い方次第では十分な価値があると思います。
特に、デジタルデトックスのために「サブ端末として」使う場合、この価格は決して高すぎるとは思いません。
まとめ

- E-inkディスプレイで目に優しく、屋外でも見やすい
- Android 11搭載でアプリの自由度が高い (Kindle以外のストアも利用可能)
- スマホサイズで持ち運びやすく、片手操作も楽
- 物理ファンクションボタンが地味に便利
- 保護フィルムとケースが最初から付属
- ダムフォン(通話やSMSなど最低限の機能のみをもつ携帯電話)的要素があり脱スマホ中毒に貢献 スマート(賢い)ホンとの対極関係
- メインスマホと組み合わせることでバッテリー分散できる
- SIMカードが使えないため、常時接続には別途Wi-Fiかテザリングが必要
- 動画視聴やゲームには不向き(割り切りが必要!)
- ロースペックのため通常のスマホより操作がもたつく
- スペックに対して価格がやや割高に感じる可能性も
- E-ink特有のレスポンスの遅さ、残像感はある
Bigme Hibreakは、最新スマホのような「何でもできる」万能デバイスではありません。
電子書籍やウェブでニュースや情報を確認するといった、用途に特化したデバイスといえます。

スマホの通知や誘惑から解放され、読書や情報収集に集中したい。寝る前のスマホ時間を、目に優しい時間に変えたい。
そんな「デジタルデトックス」を求める人にとって、おすすめしたい製品です。
Android OSを搭載しているため、Kindleのような専用リーダーよりもはるかに多機能で、自分の使い方に合わせてカスタマイズできる自由度の高さも魅力です。
- スマホの使いすぎに悩んでおり、デジタルデトックスをしたい人
- 読書に集中できる専用端末が欲しいが、Kindle以外のアプリも使いたい人
- 目に優しいデバイスで情報収集をしたい人 (ニュースアプリなど)
- 寝る前のスマホ時間を改善したい人
- 複数の電子書籍サービスを1台で管理したい人
- ガジェット好きで、ちょっと変わったデバイスを試してみたい人
- 受験生や資格勉強中の社会人で、誘惑を断ち切りたい人
スクリーンセーバーモードでデスクに置いておくだけでも、ちょっとしたデジタル時計兼カレンダーになってオシャレです。

Bigme Hibreakは、まさに「不便益」(不便だからこそ得られるメリット)を体現したような、ストイックで魅力的なガジェット。
あなたの「スマホ疲れ」を癒す、新たな選択肢として、検討してみてはいかがでしょうか?
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