「車は走れば何でもいい!家電は安ければそれでよし!」そんな超合理主義なあなたに朗報です。
今回は、徹底的に価格を抑えたタブレット「BLACKVIEW Tab 90 Wi-Fi」をレビューします。
なんと、11インチサイズながらもAliexpressで約17,000円で購入可能です!
昔、某NHKで放送されていたプロジェクトXに登場する、昭和の技術者が聞いたら絶句するような意見かもしれませんが、このような合理主義が現代のマーケティングに求められているのかもしれません。
マーケティングを勉強すると習うのが「ドリルの穴理論」ですが、今回紹介するタブレット「BLACKVIEW Tab 90 Wi-Fi」もきっと、この原則を極限まで突き詰めたプロダクトと言えるかもしれません。
わたくし、BLACKVIEW様より製品提供を受けている身ですが、結論からお話しすると、このタブレット、ある意味、「潔(いさぎよ)い!」
性能面では10年前のタブレットを彷彿とさせる部分も・・・。でも、そこが逆に新鮮かも? (笑)
タブレットに高性能を求めず、とにかく安ければ良い!という方に、うってつけの一台と言えるでしょう。
Blackviewのメーカー説明
- タフネススマホ: BVシリーズ、BLシリーズ – 過酷な環境でも頼りになる、圧倒的な耐久性
- スマートフォン: Aシリーズ – 高速カメラやスタイリッシュなデザインが魅力
- ノートパソコン: AceBookシリーズ – 軽量かつ頑丈、プレミアムなサウンドを実現
- スマートウォッチ/イヤホン/タブレット: 多様なニーズに応える幅広いラインナップ
Blackviewは、2013年に設立された、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを製造・販売する中国の企業です。
Blackviewの製品は、中国にある自社工場で、設計から生産まで厳格な品質管理のもと製造。
2024年時点では、スマートフォン、スマートウォッチ、イヤホン、タブレット、ノートパソコンと、幅広い製品カテゴリーを展開するまでに成長しました。
Blackviewは、中でも、過酷な環境にも耐えるタフネススマホの製造企画が得意です。
おそらく中国軍に納品実績を作ってこの分野で唯一無二の存在になりたいのでは?と想像してしまいます。
Tab 90 WiFi と Tab 9 WiFi スペック比較
機能 | Tab 90 WiFi | Tab 9 WiFi |
プロセッサ | オクタコア Unisoc T606 | オクタコア Unisoc T606 |
RAM | 標準4GB+8GB(Micro SDカードで拡張) 最大12GB拡張 | 標準6GB +12GB(Micro SDカードで拡張) 最大12GB拡張 |
ROM | 128GB + 最大1TB拡張 | 256GB + 最大1TB拡張 |
ディスプレイ | 11インチ、1920×1200 | 11インチ、1920×1200 |
リアカメラ | 13MP | 13MP |
フロントカメラ | 8MP | 8MP |
バッテリー | 8200mAh | 8200mAh |
OS | DokeOS, P 4.0 (Android 14ベース) | DokeOS, P 4.0 (Android 14ベース) |
その他の機能 | デュアルボックススピーカー(Smart-K搭載)、Widevine L1サポート、PCモード | デュアルボックススピーカー(Smart-K搭載)、Widevine L1サポート、PCモード |
サイズ/重量 | 薄型、スタイリッシュ。わずか540g、9.5mm | 薄型、スタイリッシュ。わずか512g、9.1mm |
Blackview Tab90 Wi-Fiの兄弟機種としてBlackview Tab 9 Wi-Fiというモデルが存在します。
両タブレットともほとんどのスペックが同じですが、主な違いは、ベースのRAMとROMの容量です。
また、Tab 9 Wi-Fiの方が、TPUカバーやフィルムなど、同梱されている付属品が多いようです。
スペックに関しては、最新のAndroid OSであるAndroid 14を採用しているため、見た目に関しては古さを感じません。
また、画面サイズは約11インチと、ここ数年のトレンドを抑えた設計になっています。
ただし…本体の画面解像度は、スペック表を見ると1920×1200となっていますが、パッケージの裏、保護シールには1280×800と書かれていました。
一体どういうことなのでしょうか? 消費者としては気になるところです。
実際に画面を見てみたところ、1280×800のように見え、PPiも粗いです。
RAMの容量も、12GBと自信満々に書かれていますが、実際は4GBで、Micro SDカードで拡張した場合、最大12GBまで増設できるという意味のようです。
開封の儀!
パッケージデザインは、Apple製品をパクっ・・・、おっ、オマージュしたようなデザイン。
たまたまデザインが似てしまったと信じましょう・・・。
パッケージにもスペックが書かれてました。
付属品は、本体、取扱説明書、ヨーロッパ規格の充電器とType-Cケーブルです。
もうみなさん、この辺の充電ケーブル系はすでにお持ちだと思うので開封する必要ないですよね。
取扱説明書は、内容が詳しく書かれているのでタブレット初心者でも使いこなせるようになるはずです。
こちらが本体です。
すでにセットアップが終了しております。
本機は、IPS液晶のためか、角度を変えて画面を見ると少し暗く感じました。
まあ、テレビを一家団欒で見るような時代ではないので視野角による暗さの問題は、気にならないと思います。
写真で見ると金属のような趣ですが、プラスチック製(ABS樹脂)です。
カメラに沿って表面は、レザーのような手触りのザラザラの加工がされてます。
片手で持っても滑りにくく持ちやすいです。
カメラは2眼レンズ搭載。
スマホの方がカメラを使う頻度が高く、スマホのカメラよりも画素数の高いタブレットは存在しないはずなので、今回性能については未検証です。
SIMピンも付属してます。
Type-Cの充電端子付近にMicro SDカードスロットがありますが’SIMカードは挟めない仕様になってます。
また、ここにMicro SDカードを入れることでRAMを増設することができます。
いざ、使用感チェック!
率直に言って、このタブレットは万人向けではありません。
特に「タブレットでこれをやりたい!」という明確な目的がある方には、特に向いてません。
ハイスペックを求めるゲーマーや、クリエイティブな作業をしたい人にも物足りないでしょう。
しかし!「タブレットでネットサーフィンや動画視聴ができればOK」「とにかく安いタブレットが欲しい!」という人には、まさにうってつけ。
例えば…
- ニュースサイトや電子書籍を閲覧
- SNSをチェック
- TikTok、YouTube、Amazon Primeビデオなどの動画サービスを楽しむ
- 外出先でのちょっとした調べ物
…といった用途には十分な性能です。
スピーカーはステレオで、音はちゃんと左右から聞こえます。音質に強いこだわりがなければ、特に問題ないレベルでしょう。
Blackview Tab 90 Wi-Fi、正直残念なところ
今回は、割り切った価格設定が魅力のBlackview Tab 90 Wi-Fiですが、実際に使ってみて感じた「残念な点」を正直にレビューしていきます。
Widevine L1対応だけど…? 解像度が惜しい・・・
Tab 90はWidevine L1に対応しているため、Netflixなどの動画配信サービスを最高画質(4K、HDR)で楽しめるはず…なのですが、少々悩ましい点があります。
Tab 90のディスプレイ解像度は1280×800のHD画質。
つまり、せっかくWidevine L1に対応していても、そのポテンシャルを最大限に活かせないのです。
公式サイトで対応をうたっている以上、もう少し解像度の高いディスプレイを搭載して欲しかったというのが正直なところです。
YouTubeで4K動画を再生したところ、1080P60フレームを選択することができました。
やはりHDの性能しか出ず、この時代タブレットには、やはり最低フルHD画質を切望します。
また、液晶の色味が寒色系に寄っている点も気になります。
自然な発色を好む人にとっては、違和感を感じるかもしれません。
でも、ライバル機と比較すると…?
「解像度が物足りない」と書いてきましたが、実は、ライバル機であるAmazon Kindle Fire HD 10も、ディスプレイ解像度は同等です。
私が普段使い慣っている「iPad Pro」や「Xiaomi Pad 6S Pro」と比較してしまうと、どうしても物足りなさを感じてしまうのかもしれません。
しかし、価格帯が近いKindle Fire HD 10と比べると、Tab 90にそこまで強い不満を持つこともないことに気づかされました。
これといった特徴がない
全体的に、可もなく不可もなくといった印象で、尖った特徴がありません。
良く言えば「無難」ですが、他のタブレットと比較して、積極的に選ぶ理由を見つけるのが難しいと感じました。
Helio G99を搭載してほしかった
Blackview Tab 90 Wi-Fiは、Unisoc T606という2021年リリースのエントリークラスのSoCを搭載しています。
中華タブレットでは、2023年からAntutuベンチマーク40万点台を誇るHelio G99を搭載するのがトレンドになりつつあります。
Blackview Tab 90 Wi-Fiも、最新のSoCを搭載していれば、より快適な動作を期待できただけに、少し残念です。
ライバルは強敵揃い!Blackview Tab 90 Wi-Fiと価格で真っ向勝負するタブレットたち
Blackview Tab 90 Wi-Fiが戦うべきは、同じ土俵で価格破壊を狙う強力なライバルたち。
今回は、特に手強い「格安タブレット」カテゴリーから、Blackview Tab 90 Wi-Fiの立ち位置を探ってみましょう。
Amazon Fire HD 10: 圧倒的低価格で王者に君臨!
Blackview Tab 90 Wi-Fiにとって最大のライバルと言えるのが、Amazonが販売する「Fire HD 10」でしょう。
その魅力は、何と言っても圧倒的な低価格。
Blackview Tab 90 Wi-Fiよりもさらに低価格帯で販売されることも多く、価格重視のユーザーにとっては非常に魅力的な選択肢です。
Fire HD 10は、Amazonのコンテンツサービスとの親和性が高く、Prime VideoやKindleの電子書籍などを楽しむためのデバイスとしては最適です。ただし、Google Playストアは利用できないため、アプリの選択肢は限られます。
Fire HD 10を選ぶメリット
- 圧倒的な低価格
- Amazonのコンテンツサービスとの親和性の高さ
Fire HD 10を選ぶ上での注意点
- Google Playストアは非対応
- 処理性能は高くない
Lenovo Tab Mシリーズ: バランス重視ならコレ!
Lenovoの「Tab Mシリーズ」は、低価格ながら必要十分な性能と機能を備えたタブレットです。Blackview Tab 90 Wi-Fiと比較して、処理性能やディスプレイの品質で勝るモデルが多く、普段使いに適した選択肢と言えるでしょう。
Lenovo Tab Mシリーズを選ぶメリット
- バランスの取れた性能と価格
- Lenovoというブランド力
Lenovo Tab Mシリーズを選ぶ上での注意点
- 価格はFire HD 10ほど安くはない
TECLAST、CHUWI、ALLDOCUBE: 手頃な価格帯で人気上昇中!
Blackview Tab 90 Wi-Fiと同じく、中国メーカー製の格安タブレットも多数存在します。TECLAST、CHUWI、ALLDOCUBEなどのブランドは、Blackview Tab 90 Wi-Fiと同様に、低価格を武器に市場シェアを拡大しています。
これらのタブレットは、Blackview Tab 90 Wi-Fiと比較して、価格やスペックに大きな差はありません。
中華タブレット勢を選ぶメリット
- 低価格
- Blackview Tab 90 Wi-Fiと比較して、スペックに大きな差はない
まとめ:割り切って使うならアリ!?”サブのサブタブレット”に最適!
- バッテリー持ちの良さ: なんとスタンバイ時間は約18日間! 長時間外出時でも安心です。
- 優れたホールド感: 背面の滑り止め加工が地味に便利! 長時間使用でも疲れにくいです。
- 11インチの大画面: 動画視聴や電子書籍の閲覧に最適なサイズ。
- 競合製品と比較して低価格: 特にAmazon Fire HD 10などと比較して、価格競争力が高い。
- 液晶の解像度: 価格相応といったところ。美しい映像を楽しみたい人には、少し物足りないかもしれません。
- 重量: 本体はプラスチック製ですが、思ったよりも重量感があります。
- 処理性能: 最新ゲームや高画質動画を楽しむには、少々力不足です。
Blackview Tab 90 Wi-Fiは、最新ゲームや高画質動画を楽しむには不向きですが、割り切って使うなら十分な性能です。
すでにスマホやタブレットを持っている人が、”サブのサブ機”として持っておくには最適な一台と言えるでしょう。
価格も魅力的なので、タブレット初心者の方や、とにかく安いタブレットが欲しい!という方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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