2023年に週刊SPA!の中華ガジェットコーナーでiPlay 50 mini Proを「ジェネリックiPad mini」と評して紹介させていただきました。
このことをメーカーのAlldocubeさんにお伝えしたところ、大変喜んでいただき、お礼にと2024年に発売されたばかりの「iPlay 60」を提供していただきました。
最近、小学4年生の息子が原神にハマっており、気づいたらiPad Pro 12.9インチを強奪されてしまいました・・・。
そんななかでiPlay 60を手に入れることができ、とりあえずタブレット難民にならずに済んで良かったのです。
しかしながら、息子が15万円のタブレットを使い、あろうことか私が2.2万円の中華タブレットを使うといった由々しき事態が我が家で起きてます。
はい、少し前置きが長くなりましたが、令和最新のiPlay 60はこんなタブレットです。
iPlay 60は、2023年発売のiPlay 50(旧モデル)を踏襲したAllcubeのフラッグシップモデルのタブレットです。
旧モデルと比較し、進化した部分、退化した箇所などさまざまですが、全体的に見るとポジティブなアップデートが多く、早くもiPlay 50 mini Proに次ぐ大ヒットの予感がします。
また、iPlay 60は、シリーズ初のスタイラスペンに対応しました。
これはおそらく、小学校のIT教育市場に売り込むための布石と考えられますが、普段ノートを撮ることが多いビジネスパーソンなども快適に使えること間違いありません。
というわけで、今回は、Alldocubeの11インチサイズのタブレット「iPlay 60」を1ヶ月使用してみた感想や用途などレビューしていきます。
この記事はAlldocube様より商品提供を受けて作成しております。
iPlay 60とiPlay 50(旧モデル)とのスペック比較
項目 | iPlay 60 | iPlay 50 |
---|---|---|
モデル | iPlay 60 | iPlay 50 |
OS | Android 13 | Android 13 |
画面サイズ | 11インチ | 10.4インチ |
画面解像度 | 2000 x 1200ピクセル | 2000 x 1200ピクセル |
プロセッサ | Unisoc T606, オクタコア, 最大1.6GHz | Unisoc T618, オクタコア, 最大2.0GHz |
RAM | 4GB | 4GB(最大12GBの仮想RAM拡張可能) |
ストレージ | 128GB, microSDで最大1TBまで拡張可能 | 64GB, 拡張可能 |
背面カメラ | 16MPメイン + 2MP広角 + 2MPマクロ | 8MP |
前面カメラ | 5MP | 5MP |
スピーカー | クアッドスピーカー、スマートPAアンプ搭載 | 指定なし |
バッテリー容量 | 7000mAh | 6000mAh |
充電 | 18W急速充電(標準アダプターは10W) | 指定なし |
接続性 | 4G LTE VoLTE, デュアルバンドWi-Fi (802.11ac), Bluetooth 5.0, GPS | 4G LTE, デュアルバンドWi-Fi (2.4GHz/5GHz), Bluetooth 5.0, GPS |
デザイン | W163.7mm × D259.1mm 厚さ7.95mm | W157.8mm × D248mm 厚さ8.4mm |
重量 | 520g | 466g |
追加機能 | Widevine L1対応 4096段階の筆圧対応ペン入力(ペンは別売) | Widevine L1対応 In-Cellディスプレイ技術 |
SoC
iPlay 60にモデルチェンジしたことで画面サイズ、スピーカー数、カメラ性能、バッテリー容量の面でスペックがアップしました。
いっぽうでSOCに関しては、UNISOC T618→UNISOC T606にスペックダウン。
UNISOC T606は、2021年に登場したミドルクラスのSoCでAntutuの総合ベンチマークスコアで20万点の性能です。
(T618はAntutベンチマークスコアで25万点程度とのこと。)
旧モデルとの製造コストを同等にするため、やむなくCPUをダウングレードした・・・。
もしくは、「iPlay 50 mini Pro NFE」や「iPlay 50 Pro Max」で見せたような、Alldocubeお得意のスペックアップでリニューアル販売を控えてる可能性も考えられます。
メモリとストレージ
iPlay 60のRAMは4GBです。。
デフォルトで8GBは欲しいところですが、ゲームに特化したモデルではないのでここは、割り切って考えましょう。
なお、iPlay 50(旧)では、仮想メモリ(ストレージの一部をメモリとして扱う)に対応しておりましたが、iPlay 60には仮想メモリの設定項目がなくRAMを増設することはできないようです。
旧モデルの「iPlay 50」も4GBスタートで、後から6GBモデルが追加された歴史があり、SoCの項目でも書いた通り、後からスペックアップしたリニューアルバージョンが発売される可能性があります。
ストレージは128GBで旧モデルの64GBから2倍に容量アップしました。
画面サイズは11インチでスピーカーは4発に増量!
iPlay 60は、11インチサイズのAndroidタブレットです。
2KのフルHD画質を楽しむことができます。
安価すぎる中華タブレットだとWideVine L1に対応してませんが、本機はしっかり対応してます。
本体スピーカーは4つにアップグレードされVOD(NETFLIX、アマプラなど)など、高画質で迫力ある視聴が楽しめます。
そのほか
シリーズ初の専用ペンが登場しました。
4096段階の筆圧検知に対応しており、安物のスタイラスペンとは一線を画します。、
詳細は後述します。
細部をチェック
付属品
こちらがiPlay 60の付属品です。
- Type-Cケーブル
- 充電アダプター
- SIMピン
- 取扱説明書
- Alldocube専用ペン
後述しますが、iPlay 60には専用のペンが付いてました。
Amazonの製品ページには確か別売と書いてあった気がしますが・・・。
外観
開封するとディスプレイの保護シールの下に液晶保護フィルムが貼られてました。
ただし、この保護フィルムは指滑りが悪く、指紋が目立ちやすいので、あくまでもオマケ程度行った感じ。別途、サードパーティー製の液晶保護フィルムを貼るといいでしょう。
本体はアルミニウム合金でできており、酸化皮膜処理がされてました。
安い中華タブレットは、ポリカ製の筐体に金属風の塗装を施しているものが散見されますが、iPlay 60はホンモノのアルミが使われております。
手に取るとヒヤッとする感じがちゃんと伝わってきました。
本体の背面には、技適認証のマークを確認できました。
技適警察にも睨まれなくてすみそうですが、技適警察のおかげで日本製品は海外製品との競争力に負けてる気がするのですが・・・。
本体の上部には、左から音量ボタン、電源ボタンが配置されてます。
本機は、クアッドスピーカー(4つのスピーカー)搭載で上部と下部にそれぞれスピーカーホールが確認できます。
また、下部にはType-Cの充電端子がありました。
本体の左側には特に何もなし。
本体の右側面には、SIMトレイ、およびTFカードスロットが収められてました。
国内キャリアの対応バンドについて
SIMカードスロットはこのような形状のため、Micro SDカードとSIMカードを共存させて使うことができます。
iPlay 60がサポートするネットワークタイプと対応バンド・周波数は以下の通りです。
ネットワークタイプ | 対応バンド・周波数 |
---|---|
3G W-CDMA | 1 / 2 / 4 / 5 / 8 |
4G LTE FDD LTE | 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 20 / 28a |
4G LTE TD-LTE | 38 / 40 / 41 |
5G NR | 非対応 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | バージョン:5.0 |
これらの情報を基に、日本の通信キャリアの対応状況を考察します。日本で主要な通信キャリアは以下の通りです。
- NTTドコモ
- au (KDDI)
- ソフトバンク
- 楽天モバイル
これらのキャリアは主に以下のバンドを使用しています。
- 3G: バンド1 (2100 MHz)
- 4G LTE: バンド1 (2100 MHz), バンド3 (1800 MHz), バンド19 (800 MHz), バンド21 (1500 MHz上り専用), バンド28 (700 MHz)
iPlay 60の対応バンドを考慮すると、3Gのバンド1、4G LTEのバンド1、バンド3、バンド8、バンド28aが日本国内の主要キャリアで広く使用されているバンドと一致します。
ただし、バンド28はa/bの区別があるため、iPlay 60がバンド28aのみをサポートしている場合、日本国内でのバンド28の全範囲のカバレッジには対応していない可能性がありますが、多くのエリアでの基本的な通信は可能と考えられます。
結論として、iPlay 60はNTTドコモ、au (KDDI)、ソフトバンクのネットワークで広範な対応が可能ですが、使用するエリアやサービスによってはバンドの対応状況を確認する必要があります。
楽天モバイルについては、彼らが使用する特定のバンド(主にバンド3やバンド18/26)にも対応しているため、一部のエリアで使用可能です。
カメラがアップグレードされた
旧型であるiPlay 50との違いを外見で区別できるポイントとして「カメラ部」を見ることで違いを確認できるはずです。
旧型のiPlay 50は、シングルカメラだったのに対し、新型のiPlay 60はトリプルカメラにアップグレード。
さらにフラッシュまでついているので日常使いには困らない程度になりました。
スマホのようにパノラマ撮影、ポートレート、Pro、写真、動画、ソローモーションなど様々なモードが搭載。
Proモードでは、シャッタースピード、ISO感度、F値など様々な項目を設定することができます。
こちらが実際にiPlay 60で撮影した写真です。
アップロード時に圧縮されさらに画像が荒くなってます。また、あいにくの雨天により、明るくて綺麗な撮影ができずすみません。
近い距離から遠くまでの撮影に対応してますが、結論、ブレットよりも手持ちのスマホで撮影した方が断然美しいと思います。
これはiPadにも言えることですが、タブレットのカメラがどんなに向上しようとも、iPhoneには勝てないと同じ理屈なので、よほどのことがない限り、スマホで撮影すべきです。
ペンが付属していた
AmazonのiPlay 60の販売ページを見ると、ペンは別売と書かれておりましたが、充電アダプターの箱の中に同梱されていて驚きました。
このペンにはマグネットが仕込まれているのですが、iPlay 60の本体側面には、iPad Proのようにマグネットが内蔵されてません。
したがって、上の青いマグネットプレートを本体に貼ることでペンをくっつけることができます。(裏面にテープが付いてます)。
このペン、どういう技術かわかりませんがペアリングなしで使うことができました。
Apple Pencilと同じD型の形状をしており、握った感覚は、某リンゴ屋さんのペンと同じ感覚です。
ちなみにiPad、Galaxy Fold5、他のスマートホンでこのペンを流用できるかチェックしてみましたが反応しなかったのでiPlay 60専用と考えられます。
1度の充電で約80時間使用することができ、充電は40分でフル充電が可能。
ペン先にボタンがついており、ボタンを押した状態でiPlay 60の画面をタップするとGoogleアシスタントが起動するなど、面白いギミックが搭載されてます。
ペンは、4096段階の筆圧検知に対応しているので、絵を描いたり、字を書くときなど繊細なタッチ表現も可能です。
WPS、iNotes、Ibis Paint X、Krita、MediBang Paint、Sketchbook、ArtFlow、Tayasui Suketches、Good Notesシリーズなど、ペンが必須なアプリにも対応してます。
私は、絵を描くのが苦手なので使用機会は少ないですが、単純にスタイラスペンとしても使うことができます。
専用タッチペンは、Amazonでも単体で4,999円で発売されてます。
iPlay 60なら最初からペンが同梱されてるんですから、Alldocubeさん太っ腹だな〜。
Apple Pencilは日本円価格で約2万円しますが、iPlay 60の専用ペンは約5千円。
原価計算間違ってたとか、ライン工がうっかりペンを入れてしまったとか言わないでくださいよ〜。
使用感
総評
- カメラ性能がアップしたことがウリのようですが基本的にスマホで撮影するので個人的には使わない
- クワッドスピーカーは音が筐体に篭る感じでサラウンド感はあまり感じられられないかも
- 画面はフルHD品質できれいだけど寒色系の発色
- 本体重量が520gと重め。長時間使用しているとジワジワと腕にくる
- 技適あり
iPlay 60を1ヶ月使用してみた感想は、ちょっと重たいけど手元にあるとつい使ってしまう便利タブレット。
「コストパフォーマンスが高いが、ゲームや重いアプリケーションでのパフォーマンスは限定的」といった形印象です。
少々カクツキますが、一応PSリモートプレイもできます。
ネット回線の状況にもよりますが、Fortniteのようなオンライン対戦のゲームではまず使い物にならないでしょう。
このようにゲーム性能が低いことを理解した上で、ブラウジング、動画鑑賞、SNSなどに「割り切って」使えるユーザーに満足してもらえると思います。
原神
それを前提でベンチマークソフトである原神を立ち上げてみました。
デフォルトの状態での画面設定は「最低」になっており、ところどころにジャギが目立ちます。
グラフィックス設定を「最低」の状態だとデバイス負荷は「スムース」になります。
いっぽう、グラフィックス設定を「低」にアップするとデバイス負荷は「やや高い」になります。
ということは・・・、間違って画質を最高にした日には、富士山が大噴火するかもしれません。
画質について
iPlay 60は2K(フルHD)画質での視聴が可能です。
IPS特有の発色の良さを活かして、鮮明でダイナミックレンジの高い映像を楽しめました。
ただし、ディスプレイの発色は寒色系で若干青みがかっているのが特徴です。
黒の発色は若干苦手。まあ、この辺はOLED(有機EL)やMicro LEDディスプレイの独壇場ですので文句を言っても仕方ありません。
こういうヴィヴィッドな動画を綺麗に見れるのがiPlay 60の強みです。
スピーカー性能
スピーカーが4基にアップグレードされたことは喜ばしいですが、肝心な音質はというと、本体の中でこもるような感じで、遠くまで音が飛ばないといった印象でした。
また、ステレオ感はありますが、左側の2基、右側の2基がそれぞれ左右で同じ音を出しているため、立体感のようなものは皆無でした。
Dolby Atmosなどの音響システムを搭載しようとすると、ライセンス料が発生するため、2万円クラスのタブレットにそれを求めるには無理がありますね。
音楽や映画を最高のパフォーマンスで楽しみたい方は、ワイヤレスイヤホンなどで楽しむと良いでしょう。
電子書籍が捗ります
iPlay 60の使用用途で個人的に1番多いのが電子書籍を読むことです。
私は、楽天マガジンを毎月購読してますが、スキマ時間にiPlay 60で読んでます。
ただし、本体重量が520gと重たく、片手で長時間タブレットを持ち続けるのは大変(両手で長時間保持するのも結構疲れる)。
ベッドで寝ながら読むなんて危なくて絶対にあり得ません。
なので私は、縦画面固定に設定しベッドに横向きに置いて見てます。
活字を読んでいるとだんだん眠気に襲われ気がついたら寝落ちしているなんてこもザラです。
それって読書というよりも睡眠導入のために使ってますよね。
こんなことを言われ、全く説得力がありませんが、Amazon Prime ReadingやKindle Unlimitedを利用して勉強したいと口実を作り、家計で買ってもらうのもいいかと思います。
Alldocube純正カバーも秀逸
これは、レビューワーのみの特典かもしれませんが、iPlay 60のケースがついてきました。
左のケースはTPU素材で、真ん中の白いサークルがマグネットになってます。
白いTPUケース単体でケースを使うこともできますが、画面を保護したりスタンドを使いたい場合は、オレンジ色のカバーとセットで運用することが可能。
写真では分かりませんが、カバーには角度調節の窪みもあり使いやすいです。
サードパーティー製のケースもいいですが、やはりメーカー純正が1番使いやすいと思います。
おすすめ設定
表示領域を増やして使いやすくする
最初のデフォルト状態だと文字や表示が大きい高齢者向けタブレットのようです。
設定→ユーザー補助で文字サイズを最小に変更すると全体すっきり見渡すことができるようになり操作感がアップします。
あとついでにテキストを太字にするを選ぶと文字がクッキリとして読みやすくなります。
さらに画面領域を増やすためにナビゲーションボタンの消してスワイプで操作できるように変更するとよいでしょう。
設定→システム→ジェスチャー→システムナビゲーション
ここで3ボタンナビゲーションからシステムナビゲーションに変更することでホームボタンの領域が消えて大画面でコンテンツに没入できるようになります。
これは、YouTubeでカステラ王子さんという方が紹介されていた方法です。
iPlay 60は基本的に縦長の画面なのですが、Xやインスタなど縦長画面のSNSを見るときに俯瞰性(全体の視認性)が高く見やすいです。
まとめ
iPlay 60は、Alldocube初の学校向けのタブレットと印象を受けました。
ゲーム性能はあえて追求せず、ペン対応に力を入れ始めたことから幅広い世代で使うことを目的に開発されたことが想像できます。
本体重量が520gとやや重いといった点が気になるところではありますが、全体的にみて非常に安定した中華タブレットです。
今回のレビューでは試してませんが、GPSも搭載されていることからSIMカードとのセット運用でカーナビとしても使えるなど、幅広い用途が期待できます。
息子にiPad Proを返して欲しいところですが、個人的な用途としてはこのクラスの中華タブレットで充分だと感じました。
仕事用やセカンドタブレットを探している方は「iPlay 60」を検討してみてはいかがでしょうか?
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