骨伝導イヤホンのリーディングカンパニー、Shokz(旧AfterShokz)は、2022年1月に新型の骨伝導イヤホン「OpenRun Pro」をリリースしました。
このOpenRun Proは、以前ニューガジェット三昧でも取り上げましたが2019年に登場したフラッグシップ骨伝導イヤホン「Aeropex(エアロペックス)」の実質的な後継機となります。
骨伝導イヤホンを使うメリットは以下の通り
- 耳を塞がないので周囲の音が聞けて安全・安心!
- 屋外でのワークアウト(ランニング、ウォーキング、サイクリング)が趣味の方
- 長時間つけていても疲れにくいのでテレワーク(ビデオ会議)をされる方にオススメ
- 骨伝導イヤホンでも音質に妥協したくない方
- イヤホンが原因で難聴になりたくない人
- イヤホンの音漏れが心配な方
骨伝導イヤホンは最新技術のように感じるかもしれませんが歴史が意外に古く、補聴器具にも使われる安全なリスニング技術なのはあまり知られていません。
Shokzでは、骨伝導製品を入門者用の「OpenMove」からビジネス向けの「OpenComm」など幅広い分野に展開しており、リスニング体験のゲームチェンジャー的存在になりつつあります。
今回紹介するOpenRun Proは、重さ29gでIP55の防水性能に対応。
新技術「Shokz TurboPitch™」による従来の骨伝導イヤホンを超える高品質なリスニング体験ができるほか、ランニングなどのスポーツはもちろん、テレワーク(ビデオ会議)にも大活躍です!
今回は、 OpenRun Proを特別提供していただきましたので、製品の魅力、使い方、音質などをレビューしていきます。
Shokzの骨伝導イヤホンとの比較
製品名 | OpenRun Pro | Aeropex | Aeropex Play | OpenComm | OpenMove |
---|---|---|---|---|---|
位置づけ | フラッグシップ | フラッグシップ | ジュニアモデル | ビジネス | エントリーモデル |
発売年 | 2022年 | 2019年 | 2020年 | 2020年 | 2020年 |
アプリ対応 | Shokz アプリ(iOS/Android) | × | × | × | × |
オーディオ | 第9世代技術 Shokz TurboPitch™ | 第8世代技術 PremiumPitch™2.0+ | × | 第7世代 PremiumPitch™2.0 | |
マイク | ノイズキャンセリング・マイク | ノイズキャンセリング・マイク | ノイズキャンセリング・マイク | デュアルノイズキャンセリング・ブームマイク | デュアルノイズキャンセリング・マイク |
Bluetooth | 5.1 | 5.0 | 5.0 | 5.1 | 5.1 |
ワイヤレス距離 | 10m | 10m | 10m | 10m | 10m |
使用時間 | 最大10時間 | 8時間 | 8時間 | 16時間 | 6時間 |
待機時間 | 最大10日間(240時間) | 最大10日間(240時間) | |||
充電時間 | 約1時間 | 2時間 | 1時間 | ||
クイックチャージ対応 | 5分の急速充電で最大1.5時間使用 | × | × | 5分の急速充電で最大2時間使用 | × |
重量 | 29g | 26g | 30g | 33g | 29g |
防塵防水性能 | IP55 | IP67 | IP67 | IP55 | IP55 |
レビュー | OpenRun Proレビュー 音質が生まれ変わった最新の骨伝導イヤホン登場 | AfterShokz Aeropexレビュー ながら族にオススメ骨伝導ワイヤレスイヤホン | Aeropex Playレビュー 骨伝導ワイヤレスイヤホンで子供の安全と耳の難聴を守ろう | OpenCommレビュー テレワーク・運転にオススメしたい骨伝導ワイヤレスヘッドセット | AfterShokz OpenMoveレビュー ワイヤレス骨伝導イヤホンがテレワークに役立ちます |
骨伝導イヤホンは、通常の空気を振動させるイヤホンとは異なり、骨に振動を伝えることで内耳に音を伝達するタイプのイヤホンです。
カナル型などのイヤホンを長時間使っていると痛くなったり、周囲の音が聞こえなくて危ないなど、様々な問題があります。
それに対し、骨伝導イヤホンは耳を塞がないから車や自転車を運転しながらも使える、騒音が大きいところでも使えるというのがメリットです。
OpenRun Proのスペック
製品名 | OpenRun Pro |
---|---|
アプリ対応 | Shokz アプリ(iOS/Android) |
オーディオ | 第9世代技術 Shokz TurboPitch™ |
マイク | ノイズキャンセリング・マイク |
Bluetooth | 5.1 |
ワイヤレス距離 | 10m |
バッテリー | 140mAh |
使用時間 | 最大10時間 |
待機時間 | 最大10日間(240時間) |
充電時間 | 約1時間 |
クイックチャージ対応 | 5分の急速充電で最大1.5時間使用 |
体積 | Aeropexより20%小型化 |
重量 | 29g |
防塵防水性能 | IP55 |
骨伝導イヤホンの弱点「低音」を克服
骨伝導イヤホンの弱点は、音域の幅が狭い点です。
通常のイヤホンならマルチBAドライバーを搭載することで全音域をバランス良く鳴らすことができますが、骨伝導となるとその技術は使えません。
その難点を解決するために開発されたのがShokzの 「Shokz TurboPitch™」 という技術。
これは、2基のCoreCushion(低音エンハンサ)をトランスデューサの中に内蔵し、これによりバランスの取れたオーディオの再生が実現しました。
連続再生時間は10時間
OpenRun Pro は、最大10時間の長持ちバッテリー( 140mAh )を搭載。
通勤(往復)2時間、オンラインミーティング3時間、帰宅後のジョギング1時間、就寝前の映画3時間を使ったとしても、まだバッテリーに1時間分の残量があります。
細部をチェック
Shokzの歴代のパッケージは上のように人がイヤホンを装着している写真が使われています。
こちらが付属品です。
前モデルのAeropexの時は小さなシリコンケースでしたが今回はゴージャスなセミハードケースが同梱されていました。
保証書ももちろん入っており、安心の2年保証なのが嬉しいですね。
こちらが本体です。
骨伝導部分にメッシュ状になっているのが分かると思います。
また骨伝導部分の底面も通気口のようなものがあり、これまでのShokz製品には見られなかったデザインです。
これは先ほど紹介した「Shokz TurboPitch™」のためのもの。
この機構のおかげで豊かな低音が再生できるというワケですね。
この骨伝導イヤホンを支えるのは、軽量で耐久性のあるチタンを採用しています。
このフレームかなり剛性があって軽くひねっても変形しにくい素材が使われています。
OpenRun ProとAeropexを比較すると充電端子の位置が変更になっているのが分かるかと思います。
Aeropexは、底面だったのに対し、 OpenRun Proは、OpenCommのように縦側に端子がつきました。
OpenRun Proの充電は、残念なことにUSB-Cではありません。
MagSafeのような「パチッ」とくっつく専用充電ケーブルを使用します。
ちなみにAeropexの時は2本同梱されていましたが、OpenRun Proでは1本付属してます。
万が一、紛失してしまってもネット通販でこのケーブルを買うことができるので安心してください。
その他、 OpenRun Proは急速充電にも対応。
わずか5分の充電で最大1.5時間の使用が可能になりました。
出勤中に使いたいのに充電切れだった経験ありませんか?
こんなときに役立ちますよ!
充電端子の位置が横に変更したことでボリューム兼、電源ボタンが大型化され使いやすくなりました。
OpenRun Proには、もう1つボタンがついています。
こちらのボタンは主に通話の着信を受けたり、切ったりするときに使います。
装着感
OpenRun Proを装着してみました。
耳を塞がず圧迫感がないのが骨伝導イヤホンのメリットです。
着け心地も「さすがShokz!」といった感じでつけているのを忘れてしまうくらい軽くズレ落ちにくいのが良いですね。
最近、ダイエットにウォーキングやランニングを始めましたが相性はバツグン!
ズレ落ちにくいということは、イヤホンの側圧が強いんじゃないの?
側圧に関しては、ほとんど感じることがなく「眼鏡をかけている状態」に似ています。
一度、装着してしまえば重さも感じることなく身体の一部になったようにすら感じます。
OpenRun Pro の操作方法
OpenRun Pro には、ボリュームボタンとマルチファンクションボタンの2種類あり、それぞれ独立した使い方をします。
一見、操作方法が難しく感じるかもしれませんが1度使ってしまえばすぐbになれると思います。
- 音量を上げる・・・音量+を押す
- 音量を下げる・・・音量−を押す
- 電源ON・・・音量+を長押し
- 電源OFF・・・電源ON時に音量+を長押し
- ペアリング・・・電源OFF時に音量+を「ペアリング」とアナウンスが流れるまで長押し
- 1回プッシュ・・・再生・停止
- 2回プッシュ・・・曲送り
- 3回プッシュ・・・曲戻し
- +長押し・・・電源のオンオフ
- +を更に長押し・・・ペアリングモード
マルチポイント接続も可能
仕事用のスマホとプライベート用のスマホを1台のヘッドセットで使用したいわ!
こんなお悩みも OpenRun Proが解決してくれます。
OpenRun Proは、OpenCommに引き続きマルチポイント接続に対応しているのが良い点です!
- 同時接続したい2台のデバイスを事前にペアリングしておく。
- 電源を1度オフにしてから+ボタンを長押してペアリングモードにする。
- ペアリングモードになったら、+ボタンとマルチファンクションボタンを同時に3秒長押しすると「マルチポイント接続を開始します(Multi Point Enable)」というアナウンスが流れたら準備完了。
- +ボタンを長押してOFFにする。
- +ボタンを長押して再起動すると、事前に登録していたデバイスと自動接続される。
- 10秒くらい待っていると、「第2デバイスと接続しました」といった内容のアナウンスが流れて2台目に接続されます。
マルチポイント接続を解除する方法は、1~2までの手順は同じ。
3の部分で「-ボタン」と「マルチファンクションボタン」を同時押しすることで解除ができます。
あとは再起動すれば完了です!
Shokzについて
Shokzは、AfterShokzとして2011年にブランドが立ち上がりました。
その後、2021年12月にShokz(ショックス)へと名称を変更し、呼びやすく、商品名をシェアしやすいブランド名となりました。
「Shokzは、どこの国の会社?」と気になり調べましたが親会社は、Shenzhen Voxtech Co.,Ltd.という2001年創業の中国深センの会社です。
Shokzはブランド名です。
Shokzは、もともと軍事及び警察用に設計された骨伝導ヘッドホンの特許技術を一般消費者の手に届くリーズナブルな価格帯の製品に導入するために設立されました。
Shokzの面白いというか強みは「骨伝導ヘッドセット」にステータスを全振りしている点です。
通常のイヤホンはやはり競合が多い分野でどうしても価格競争に走ってしまいがちです。
しかし、Shokzは敢えてそのレッドオーシャンで戦うのではなく「骨伝導ヘッドセット」というブルーオーシャンを選択し業界ナンバーワンに近いシェアと信頼を獲得しつつあります。
アプリ対応でイコライザーを設定できる
現在、アプリが魔公開されていませんが、将来的にShokzのアプリと連携ができるようになるとのことです。
アプリを使うことでイコライザーを調整したり、OpenRun Proのファームウェアアップデートが可能になるようです。
使ってみた感想
歴代のShokz製品を愛用してきましたが、 OpenRun Proは、やはり自分史上で最高の骨伝導ワイヤレスヘッドセットです。
まず、気に入った点は、Bluetooth 5.1にアップデートされた点。
電源を投入すると0.5秒ぐらいですぐにペアリングされます。
そして長時間の連続使用にも耐えられ、途切れにくい点が非常に気に入ってます。
特にバッテリー性能は秀逸で前回充電したのがいつだったか忘れてしまうくらいのロングライフバッテリーです。
通常のワイヤレスイヤホンのような鼓膜を震えさせるような激しい重低音を感じることはできませんが、これまでのShokz製品と比較しても音質は断然レベルアップしています。
左右のステレオ感(位相感)が増した気がする
骨伝導イヤホンを使うと頭の中で音楽が聞こえる不思議な体験ができます。
いっぽうで、目の前に本物のスピーカーがあるような音が聞こえるから、さらに不思議なんです。
これをステレオ感(位相感)というんだけど、本物のイヤホンと遜色なくしっかり聞き取れる点が素晴らしい。
もちろん、これまでのShokz製品でも位相感を体験できます。
でも「OpenRun Pro」に生まれ変わったことで、さらに音が立体的に聞こえるようになったと確信してます。
ダイナミックレンジの弱点は裏ワザで克服できる!
また、高音から低音にまでダイナミックレンジは、正直AirPodsをはじめとするワイヤレスイヤホンには残念ながら勝てません。
が、しかし、ここで裏ワザがあります・・・
耳栓をしてOpenRun Proを装着すると通常のイヤホンと遜色ない音質が楽しめます!
しかも、この状態で使うとノイズキャンセリング効果もあります。
道路、公共交通機関のような場所では、オープンイヤーの状態で使用し、安全な場所や本気で音楽を楽しみたいという場合は、耳栓と併用することで最高の音楽体験ができます。
音漏れしにくい
骨伝導イヤホンのメリットに音漏れしにくいという特徴があります。
しかし、いくら音漏れがしにくいといっても大音量で聞けば、骨伝導部分が空気を振動させて音漏れを起こします。
図書館のような静かな場所で安心して使っていると気が付かないうちに睨まれているなんてこともあるので注意しましょう。
大音量でOpenRun Proを使用すると、こめかみ部分がブルブルします。
残念な点
性能、機能性に関しては概ね満足ですが、本体がラバーみたいな素材になっていてホコリが付着しやすい印象でした。
もちろんIP55対応なので内部にホコリが侵入する心配はありません。
IPとは、JIS(日本工業規格)にも登録されている国際規格です。
この基準によるとIP55は、塵埃の侵入を完全に防止できないが電子機器の動作には問題がなく、あらゆる方向からのノズルによる噴流水機器が影響を受けない。
という製品のホコリと水に対する指標です。
防水にも対応しているので汚れたら軽く流水で流す程度でキレイになりますよ。
ただし、水中に沈めるのはNGです!
口コミと評判
Should OpenRun Proとウォーキング中です。
— Newガジェット三昧! (@teru_cobba) January 30, 2022
耳を塞がずまわりの音が聞こえて安心!
音もAEROPEX よりも進化しましたね。 pic.twitter.com/5XFNPVHSkV
Shokz OpenRunPro着弾。いくで、骨伝導デビューや。 pic.twitter.com/A0QrYRCO7c
— 𝘽𝙊𝙒𝙎 𝙋𝙍𝙊 𝙈𝘼𝙓 (@guidbows) January 28, 2022
ガチ愛用中😚の骨伝導イヤホン #SHOKZ(旧AfterShokz)に新作「OpenRun Pro」が登場!自転車や運動中でも音楽OKでおすすめのイヤホンをインプレしました!https://t.co/JZPqk58UM1
— 愛あむ@あむちゃん! (@macaroncoloram) January 22, 2022
耳を塞がないのがお気に入りで、私は電車移動やお散歩の時もこれを使ってます〜☺️ #骨伝導イヤホン pic.twitter.com/63wxAOTduW
Openrun Pro 絶対に買うと思うのだけど、防水等級が落ちたのがちょっと残念なんだよなー
— 岩崎啓眞@スマホゲーム屋+α【冬コミ1日目✨東ク79ab】 (@snapwith) January 30, 2022
OpenRun Proを試聴してきた。
— アンドウカオル (@kando_dzn) January 23, 2022
一番感じたメリットは形状の変更のメリット。
こめかみ周辺の圧迫感が解消されて、長時間装着も快適そうな感じがした。
音はバランスの問題でaeropexの方が好きだなと感じた。
まとめ
- 耳を塞がないので周囲の音が聞けて安全・安心!
- 屋外でのワークアウト(ランニング、ウォーキング、サイクリング)が趣味の方
- 長時間つけていても疲れにくいのでテレワーク(ビデオ会議)をされる方にオススメ
- 骨伝導イヤホンでも音質に妥協したくない方
- イヤホンが原因で難聴になりたくない人
- イヤホンの音漏れが心配な方
OpenRun Proの価格は約24,000円と決してお安くはありません。
しかし、その価格には、
- コンテンツ視聴時の安全と安心代
- 難聴リスクのヘッジ代
- 快適なコンテンツ視聴体験代
が含まれおり、その価値を買っているのです!
ヘッドホンやイヤホンの疲労感から解放されたい方、ワークアウト用のオープンイヤーヘッドホンをお探しの方はぜひ「Shokz OpenRun Pro」をチェックしてみてください。
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