2020年は、数多くの中華ゲーム機が発売されましたね。
なかでもOdroid Go Advance系、別名、Retro Arch系のマシンが初めて発売され、多くの人が入ってはいけない沼に足を踏み入れたことでしょう。
そんななか、Anbernicがリリースした「RG351P」は10月ごろにOGA系ゲーム機の最後発としてスタートし、2020年を代表する中華エミュレーターとして君臨することになりました。
今回、そのRG351Pが重厚感のある、メタルの風格を装い、「RG351M」として2020年1月にリリースされました。
今回のレビューにあたり中華ゲーム機を多数リリースしている「Whatsko」さんの商品提供によりレビューする機会をいただきましたので紹介します。
この場をかりて御礼申し上げます。
YouTube動画をチェック
動画の方がいろいろ分かりやすいので、まずはこちらをご覧ください。
中華エミュレーター「P」と「M」の違い
中華エミュレーターを既に何台も持っているという方は、このトピックを飛ばしてくれて構いません。
PとかMは素材のことを意味しており、例えば・・・
- Pはプラスチック
- Mはメタル
ということになります。
中華エミュレーターは、通常、安いPを冠した筐体がプラスチックのモデルから販売し、セールス的に成功したらMモデルを販売してロットを打ち切るといった傾向です。
つまり、すべての中華ゲーム機に「M」という称号は与えられず、成功したほんの一握りのマシンのみMをつけてもう一度販売が許されるのです。
ちょっといいこと言ってない?
まあ難しいことは、ともかくとしてPは普及機モデル。
Mは高級機モデルだと思ってください。
外観チェック
おなじみのシンプルな箱の中には・・・
いつも通りのシンプルなセットが入っています。
取説は、英語と中国語で書かれており、充電はType-Cです。
こちらが本体。
手にした瞬間、こんなに重いの?
と驚きました。
中華エミュレーター機の中で最も重い260gです。
正面
背面
ボディ表面はグレーのアルマイト加工がされていて高級感のある光沢感が出ています。
今回、グレーを選びましたが、この他にブラックもラインナップとして用意されているようです。
背面にはおなじみの滑り止めグリップがついています。
上部
下部
上部のショルダーボタンを押すとカチカチと音がなります。
感覚としてはRG351Pと同じですがメタルボディになったためカチカチの反響音が若干お上品になった印象を受けました。
下部のmicro-SDカードスロットは、いつもなら改造防止のためにシールで封印されているのですが、今回は何故かデフォルトでシールが貼られてませんでした。
左
右
左は電源ボタンのみ。
右は、RG351Pでも好評だった音量調整のジョグダイヤルがついています。
もう一度同じ写真を使っちゃいますが、某リンゴ屋さんのPCみたく「継ぎ目」がスムースでビルドクオリティの高さに感心してしまいます。
同じような生産工程で作られていると思うと何だかワクワクしてきませんか?
1枚のアルミのインゴットを高性能なマシニングセンターで加工しているみたいです。
RG351Mのスペック比較
製品名 | RG351M | RG351P |
---|---|---|
ディスプレイ | 3.5インチ、IPS液晶 | 3.5インチ、IPS液晶 |
解像度 | 320×480 | 320×480 |
システム | Retro Arch | Retro Arch |
CPU | RockChip RK3326 (Quad-Core ARM Cortex-A35 1.3GHz) ”1.5Ghz” | RockChip RK3326 (Quad-Core ARM Cortex-A35 1.3GHz) ”1.5Ghz” |
GPU | Mali-G31 MP2 | Mali-G31 MP2 |
RAM | DDR3 1GB | DDR3 1GB |
メモリー | 32GB/64GB/128GB (DDR3L 786Mhz, 32 Bits bus width) | 32GB/64GB/128GB (DDR3L 786Mhz, 32 Bits bus width) |
外部ストレージ | microSDカード 最大256GBまで | microSDカード 最大256GBまで |
Wi-Fi | Wi-Fi内蔵 | 外部Wi-Fiドングルを指すことで使用可能 (本体にWi-Fiチップが搭載される予定だったがトラブルにより使用不能) |
バッテリー | 3500mAh 8時間使用可能 | 3500mAh 8時間使用可能 |
サイズ | 152mm x 71mm x 18mm | 151.5 mm x 69 mm x 18 mm |
重量 | 260g | 180g |
スピーカー | ステレオスピーカー | ステレオスピーカー |
HDMI出力 | なし | なし |
外装 | アルミ | プラスチック |
その他の特徴 | ヒートシンク搭載、振動(バイブレーター)チップ搭載 | ヒートシンク搭載、振動(バイブレーター)チップ搭載 |
2020年に発売されたRG351Pとスペックを比較してみました。
RG351MとRG351Pとの比較
- ボディーがアルミ合金になって重厚感が増した
- それに伴い重さが増えた
- Wi-Fiが最初から内蔵されている
この3点が主な変更点です。
使いやすい中華ゲーム機を安く買いたいという方は、RG351P。
高級感を求めていたり、中華ゲーム機コレクターだ!という方にはRG351M。
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ヒートシンク搭載
RG351Mの内部のパーツ構成は、Wi-Fiを搭載した点以外ほとんど同じです。
RG351Mの方はボディがアルミ合金なので、放熱性能が高いはずです。
もちろん具体的なエビデンスはありませんが、ボディがアルミ合金になったことで全身ヒートシンクみたいな役割が期待できるかもしれません。
両機種ともに、CPUには冷えピタ・・・じゃなくて、ヒートシンクが搭載されているのが他の中華エミュレーターにはない差別化ポイントです。
搭載されているEmuelecバージョン
RG351Mにデフォルトで搭載されているバージョンは、3.8でした。(RG351Pは3.7)
以前は、中華ゲーム機によくカスタムファームウェアを導入して楽しんでいましたが、最近は、いろんなバージョンが次から次へとリリースされているので、正直ついてけません。
新しい機能がついたCFWもいいですが、自分はライトゲーマーなので素の状態でも楽しく遊べています。
中級者以上の人は、ぜひ自分好みの CFW(カスタムファームウェア)を導入にチャレンジしてみて下さい!
中華ゲーム機を買ったら日本語化しよう
RG351Mはデフォルト状態だと英語表示になっているので、最初に電源を入れたら日本語化することをおすすめします。
特に設定を変更するときなど英語の状態だと分かりにくいので変えておきましょう。
Emuelecの日本語化
step
1起動後、スタートボタンとセレクトボタンを同時押しする
step
2下から2番目の「System Setting」を選択
step
3上から2番目の「Language」を選択し「Japanese」にする
Retro Archの日本語化
step
1起動後、スタートボタンとセレクトボタンを同時押しする
step
21番下の「Quit(終了)」を選択
step
32番目の「Start Retro Arch」を選択して起動させる
step
4Retro Archが起動したら左から2番目「Settings」の項目の中から、下の方にある「User」を選択
step
5LanguageをJapaneseに変更
RG351MとRG350Mとの比較
製品名 | RG351M | RG350M |
---|---|---|
ディスプレイ | 3.5インチ、IPS液晶 | 3.5インチ、IPS液晶 |
解像度 | 320×480 | 640x480 |
システム | Retro Arch | Open Dingux |
CPU | RockChip RK3326 (Quad-Core ARM Cortex-A35 1.3GHz) ”1.5Ghz” | JZ4770 mips 1ghz |
GPU | Mali-G31 MP2 | 不明 |
RAM | DDR3 1GB | DDR2 512MB |
メモリー | 32GB/64GB/128GB (DDR3L 786Mhz, 32 Bits bus width) | |
外部ストレージ | microSDカード 最大256GBまで | microSDカード 最大256GBまで |
Wi-Fi | 外部Wi-Fi内蔵 | なし |
バッテリー | 3500mAh 8時間使用可能 | 2500mAh 6時間使用可能 |
サイズ | 152mm x 71mm x 18mm | 145mm × 75mm × 18㎜ |
重量 | 260g | 252g |
スピーカー | ステレオスピーカー | ステレオスピーカー |
HDMI出力 | なし | あり |
外装 | アルミ | アルミ |
その他の特徴 | ヒートシンク搭載、振動(バイブレーター)チップ搭載 | バイブレーター振動チップ搭載 |
RG351MとRG350Mは名前がそっくりでこの記事を書いてる途中、自分でも混乱してしまうくらい「製品名」「外観」ともにそっくりです。
この記事で紹介しているRG351Mの方が最新機種なので注意してください。
また、RG350Mの後継機と思われがちですが、そもそもOSというかファームウェアのシステムに違いがあります。
- RG351Mは、「Odroid Go Advance(Retro Arch系)」
- RG350Mは「Open Dingux系」
簡単に説明すると、RG350M(旧)は、PS1、Nintendo64までのエミュレーターを動かせるのに対し、RG351M(新)はPSP、ドリームキャストと、もう1歩ハイエンドなコンソールをエミュレートできるのです。
と聞かれるとそうではありません。
RG350M(旧)は液晶ディスプレイのサイズが640×480とRG351M(新)よりも大きく、高コントラストで高解像度なのがポイント。
また、RG350M(旧)には、HDMI出力が備わっているのでテレビ画面に投影してゲームができるので
「家ではモニター越しの大画面でプレイ、外では搭載ディスプレイで遊ぶ」
といった2wayの遊び方ができます。
RG351Mの価格と販売店
RG351Mは、海外通販やAmazonなどで販売されており、価格は12,000円~15,000円が相場のようです。
価格の違いは、RG351Mに付属しているmicro-SDカードの容量。
つまり、どれだけゲームRomが入っているかによる違いです。
私が商品提供いただいたWhatskoさんのRG351MにはRomがたくさん入っていましたので気になる方はチェックしてみて下さい。
内蔵Wi-Fiで何ができる?
前作のRG351P では、出火直前に内蔵Wi-Fiに不具合が見つかり自主回収したことが有名になりました。
RG351Mはこの問題をしっかり解決してWi-Fiを搭載して発売しました。
内蔵Wi-Fiで何ができるかというと、通信対戦ができたり、PCからRomデータを転送(受信)できたりするみたいです。
ただし、本体や取説に技適マークが確認できなかったので、通信機能を使う場合は技適マークがあるWi-Fiドングルの使用を推奨します。
使ってみた感想
RG351Mを使ってみて最初に思ったことは、
「RG351P」を売ろう!
でした。
正直、できることも性能も同じ。
目新しさという点がまったくありません。
RG351Mがダメという訳ではなく、前作のRG351Pで既にマスターピース(傑作)の域に達しているから、ニューバージョンのRG351Mでは「抜群の安定感」しか感じられません。
と、ここまでは遠回しに褒めておきます。
本音を言えば、「M」としてニューバージョンをリリースするならハード面もアップグレードもしてほしかったというのが正直なところ。
CPUは、他のRetro Arch系(ODROID-GO Advanceクローン)と同じ「RockChip RK3326チップ」を使用しているためゲームの動作に関してもライバル機とさほど変わらないのが現状です。
各社が同じチップセットを使っているということは、予算の問題や技術的なブレークスルーがなければ難しいということを意味しているのかもしれませんが、2021年にニューリリースするならもう少し大きなインパクトを期待したかった。
そこでRG351Mは、ユーザービリティの面で他者にはない味付け(差別化)している訳です。
Wi-Fiを内蔵した点は評価できますが、欲を言えばHDMI出力を搭載してくれれば大満足の出来だと思います。
RG351Mは、2021年1月時点で最新で最も安定感のあるRetro Arch系エミュレーター機といって過言ではありません。
これから新しく中華エミュレーターを趣味にしたいという方は、おそらく半年から1年は不満なく使える中華ゲーム機なはずです。
まとめ
RG351Mは、ビルドクオリティが高く高級感があるので、初心者から中華ゲーム機フリークまで全ての層を満足させる1台です。
また、前機種のRG351Pは、海外フォーラム、5ch、各ブログで、多くカスタマイズに関する投稿がされているので情報も多いので扱いやすいのがいいですね。
ただし、これまでの中華エミュレーター機の歴史を知る人にとっては、ややインパクトに欠ける製品なのも事実。
しかしながら、繰り返しますがOGAクローンの中華ゲーム機のなかでは抜群の安定感を誇りますので気になる方はぜひチェックを!
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