
2020年の年末あたりから中華エミュレーターは「RG280V」や「Powkiddy RGB20」をメインに縦型ゲーム機がトレンドになりつあります。
今回レビューする、「GKD mini」も多分にもれず縦型を採用していますが、ファミコンを模したデザインは卒業し、
ポップでオリジナリティあふれるデザインを全面に押し出しています。
GKDといえば、「350H」を最後に久しく聞かない中華ゲーム機のブランドですよね。
果たして、GKDの暖簾(のれん)は miniのリリースによって見事復権となるか、見ものな1台といえるでしょう。
今回のGKD miniをレビューにあたり、これまで中華エミュレーターを多数リリースしています、Whatskoさんより商品提供していただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。
スペックとカラーリングについて

製品名 | GKD mini |
---|---|
システム | Linux(OpenDingux) |
ディスプレイ | 3.5 inch IPS 320x240 resolution |
CPU | Ingenic X1830 1.5Ghz |
RAM | DDR2 128MB |
サイズ | 111×86×19mm |
重量 | 約227g(アルミバージョン) |
バッテリー | 2500mAh |
端子 | Micro USB microSDスロット x 2 |
スピーカー | ステレオ |
Wi-Fi | あり |
GKD miniは、アルミ合金バージョンのほか、ミントグリーンのプラスチックバージョンモデルも併売しております。
スペック的にはどちらも大差ありませが、価格はプラスチックバージョンの方が安く、軽いのが特徴です。
OSは、Linuxベースの「Open Dingux」を採用しており、ファミコン、メガドライブ、ゲームボーイ、プレステまでを網羅しています。
RK2020のようなOdroid Go Advance系の中華エミュレーターに慣れている人は、Open Dingux系のエミュレーターにちょっと物足りなさを感じるかもしれません。

ただし、Romの追加のしやすさやカスタマイズ性に関しては、Open Dingux系のマシンの方がシンプルに扱えて楽な印象があります。

開封とデザインの確認
こちらが外箱。
これまでの中華エミュレーターにはないポップなデザインが印象的です。
箱には、開発を手がけた、Lao Zhang氏の名前が密かに描かれているのがポイント!
付属品は、Type-Cケーブルと取説のみ。
正直、取説は大したことが書かれてないので私がディティールを解説しちゃいます。
正面
本体正面の真ん中に見慣れないボタンが2つあります。
この位置にボタンがあると、スタートボタンとセレクトボタンだと思って、うっかり押してしまいそうになります。
これは照度調整ボタンとメニューボタンです。
ミュニューボタンとは、Romを起動中にゲームデータをセーブ/ロードしたり、Disc交換、ゲーム終了画面を呼び出すためのものです。
画面右上のディスプレイボタンの中にバッテリー残量インジゲーターが内蔵されている点が今までの中華ゲーム機にないポイントです。
もちろん画面内にもバッテリー残量が表示されますが、このように画面外に常時表示されていると視認性がいいですよね。
背面は、ほぼ1枚のアルミ板という感じ。
多分、アルミを鋳造して作ってると思うんだけど非常に丁寧に作られてます。
ショルダーボタンと正面のボタンの押し心地は、正直カチャカチャいいます。
残念ながらお上品な押し心地とはいえません。
上部にはmicroSDカードを2枚させるスロットがあります。
片方がゲームデータ用でもう片方がOS関係をいじるためのものだと思われます。
下部にはステレオスピーカーが2発搭載され、その横にはストラップホールもあります。
真ん中がイヤホンジャック。
その横にはType-Cケーブルの充電端子があります。
これがなかなかオシャレでケーブルを接続すると端子まわりが赤から緑に光ります。
前述したバッテリー残量インジゲーターといい、こんなことをやっていると本体の製造コストが上がってしまうのに堂々と取り入れてるところが好感を持てます。

本体の左面にもABボタンがついていて、正面のABボタンと同じように使うことができます。
なぜこんな場所にもABボタンがあるかというと、シューティングゲームをプレイする際などに横画面に切り替えて使うことができ、その際押しやすいように側面にもABボタンが配置されているのです。

本体右側は音量ボタンのみついてます。
側面のアルミとアルミの継ぎ目は非常にスムーズで一枚岩のような感じです。
GKD350Hの進化版といった印象

GKD350H
そういえば、1年ほど前にGKD350Hという中華エミュレーターを紹介しました。
思い返すと2020年の1月~4月頃までは、Open Dingux系の中華エミュレーターの全盛期で当時は、RG350という機種がヒットしていました。
その後、GKD350Hは、RG350のスペックを若干上回る性能でリリースされ、中華ゲーム機の覇権を握ると確信してましたが、RK2020の登場により一気に下火となってしまった悲しい機種でもあるのです。
今回、レビューするGKD miniはスペック的に350Hの中身をそのまま移植したんじゃないかと思わせる内容となっております。
製品名 | GKD mini | GKD350H |
---|---|---|
システム | Linux(OpenDingux) | Linux(OpenDingux) |
ディスプレイ | 3.5 inch IPS 320x240 resolution | 3.5 inch IPS 320x240 resolution |
CPU | Ingenic X1830 1.5Ghz | Ingenic 1830 1.5Ghz |
RAM | DDR2 128MB | DDR2 128MB |
サイズ | 111×86×19mm | 150×75×18mm |
重量 | 約227g(アルミバージョン) | 約140g |
バッテリー | 2500mAh | 2300mAh |
端子 | Micro USB microSDスロット x 2 | Micro USB microSDスロット x 2 |
スピーカー | ステレオ | モノラル |
Wi-Fi | あり | なし |
大きな変更点としては、
- バッテリー容量アップ
- ステレオスピーカー搭載
- 縦画面でのプレイが可能
- L2、R2ボタンなどの追加
などがあげられ、スペックは同じながらも満足度が向上したモデルとなっております。
私は、プレゼント企画でGKD350Hを人にあげてしましましたが現役でまだ使っている方は、GKD miniに乗り換えをおススメしたいレベルです。

GKD mini内蔵のRomについて
今回Whatskoさんから商品提供いただいたGKD miniには、32GBのmicroSDカードが付属していました。
このSDカードには、本体のOSを動かすためのデータが入っていますが、その中には、やはりゲームが数本入っていました。
ゲームは、誰もが知っているようなメジャータイトルのものが中心に入っていましたが、ほぼ全て中国語版。
あまり大きな声ではいえませんが、アマゾンやWhatsko経由で購入するとほぼ100%Rom入りが届くことになるので消去して自分で吸い出したものを導入するようにしましょう。
Romのダウンロードは違法ですので、いったん消去した上で次の方法で私はゲームを吸い出して使っています。
GKD miniにRomをインストールする方法

別の中華エミュレータ機の紹介ページになりますがゲームの吸い出し方法はこちらで解説していますのでご覧ください。
- ゲームの吸い出しに成功したら、GKD miniのmicroSDカードを取り出してPCに挿入。
- 各コンソールごとにフォルダー分けされているので、吸い出したデータを使いたいコンソールのフォルダに入れる。
- 起動してテストしてみる。
こんな流れとなります。
使ってみた感想

塊感がたまらない!

というのが使ってみた正直な感想です。

格闘ゲームがやりにくかった

アナログスティックを廃して十字キーのみを採用することでシンプルなデザインに辿りついた
まず、十字キーに高さがあるので、中華ゲーム機で格闘ゲームやスピードを求められるパズルゲームをプレイするにはちょっと向いてない感じがしました。

昇竜拳コマンド
中華エミュレーターの使いやすやを試す通称「昇竜拳コマンドテスト」をやってみましたが、なかなか技を繰り出せず波動拳として認識されてしまうことが多々ありました。
まあ、e-Sportsという分野がここ数年登場したのでGKD miniを使ってガチでプレイする人はいないと思いますが、普通に格闘ゲームをプレイするとフラストレーションがたまること間違いありません。
GKD miniでガチで精度を要求されるゲームをプレイする場合は、外付けコントローラーとして「8BitDo SN30 Pro」を接続してプレイするのがおすすめです。

RG280Vとの比較
ずっと紹介している通り、本体のデザインをはじめ、ビルドクオリティに関しては大満足です。
何が残念かというとズバリ「画面解像度」です。
もちろん3.5インチのそこそこ大きい画面でゲーム自体は不満なくプレイできることは事実です。
でも、過去に紹介したRG280V(Open Dingux系エミュレーター)の液晶と比較すると画面解像度が若干荒く、発色も暗めな感じがしました。
上の写真だとちょっとわかりにくいですがRG280Vをすでに持っている方はぜひ参考にしてみてください。

ゲーム中にフリーズすることがある
これは、中華ゲーム機をよく紹介しているYouTuberのKenichiさんも言っていましたが、3D系の重たいゲームをやっていると時々フリーズして動かなくなってしまうことがありました。

これに関しては、今後のファームウェアアップデートや「Rogue版」といったCFW(カスタムファームウェア)の登場で改善を期待したいです。
まとめ

中華エミュのメタルブラザーズ
GKD miniいかがでしたか?
GKD miniは「ZPG Pro」を手がけたLao Zhang氏が開発に一部携わっていて、GKDとZPGとの事実上コラボした製品となっております。
Odroid Go Advance系のマシンよりもOpen Dingux系の方がUIがシンプルなので、個人的に「GKD mini」は中華エミュレーター入門者に最適なマシンだと思います。
ただし、対応しているゲームハードはこちらの方が少ないので注意が必要です。
GKD miniは、発売されたばかりで一部未完成な部分の改善という課題も残されていますが、今後のファームウェアアップデートなどで、さらに良機に昇華できるよう応援していきたいマシンですよ。
購入はWhatskoやAmazonから

GKD miniはWhatskoやAmazonで買うのがおすすめ。
日本語対応はもちろん、Paypal決済も可能。
何より発注してすぐに届くがポイントです。
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