コロナ渦に自宅で楽しめる趣味として「3Dプリンター」を始める人が増えてきています。
私もそんな一人で昨年「Selpic Star A」という入門者向けの製品で3Dプリンターデビューしました。
でもこの3Dプリンターは10cm × 12cm程度のコンパクトなものしか印刷することができません。
なんだか日に日に物足りなさを感じるようになり、もっと本格的な物を使いたいという願望が出てきました。
いろいろ調べた結果、Creality製の「Ender3シリーズ」が良いという口コミを聞き、今回、Banggoodさんにお願いし商品提供していただくことになりました。
というわけで今回は、初心者から中級者まで幅広いユーザーにオススメの3Dプリンター「Ender3 V2」のレビューをしていきます。
Ender3シリーズをオススメするのか?
3Dプリンターのことが気になり出したのはPodcastのBackspace FMという番組で散財ガジェット系YouTuberのDrikin(ドリキン)氏が使っていたことでした。
3Dプリンターを使うことで100均に売られているような身の回りのアイテムを作れたり、機械の補修パーツなんかも作れるのでとても面白そうだと感じました。
SDGSやエコが近年取り上げられていますが、大量生産、大量消費の時代から脱却し、「必要な時に必要なものを必要なだけ」作れるのが3Dプリンターの魅力なんだと思います。
設計できなくてもThingiversからダウンロードでなんとかなる
3Dプリンターを使うとなるとCADソフトの使い方を覚えて、いちからプリントする物を設計していかないといけないと思うかもしれません。
もちろん自分で設計するのも間違いではありませんが、「Thingivers」というユーザー投稿型のデザインダウンロードサイトがあり、ここからデータをダウンロードするだけでいろんなものが作れます。
Thingiverseからのデータのダウンロードはもちろん無料!
カタログ感覚で作れるものを眺めているだけで3Dプリンターが欲しくなってくること間違いありません!
Ender3 V2の違い
Ender3にはEnder3(無印)、Pro、V2など大まかに3種類が存在します。
初心者はどれを選択すればわからないかもしれませんが、ここでは少し高いですがV2をオススメしたいです。
なぜV2がいいかというと
- 3機種の中で最も音が静か(静音ドライバー搭載)
- フィラメント切れ検知機能あり
- 32bit基盤ベルトテンショナーが最初から搭載されている
多分、まだEnder3を持っていない人には全く理解できないと思うけど、これまでのEnder3シリーズの弱点だった部分をマイナーアップデートしたモデルだと考えていただければ大丈夫です。
Ender3のメリット
3Dプリンター初心者にEnder3シリーズをオススメしたい理由は、世界中で使っている人が多く、操作方法や設定などネット上で情報を探しやすいから。
また、Ender3の改造パーツも豊富に揃っているため拡張性に優れているのもポイント。
静音化やベルトテンショナーの追加アップグレードは、後々に絶対にやってみたくなる改造なので、これから3Dプリンターを購入しようとしている人は、数千円高くても最初からアップグレードパーツが搭載されているEnder3 V2の購入をオススメします。
Ender3 V2のスペック
商品名 | Ender3 V2 |
---|---|
印刷方式 | FDM(熱溶解積層法) |
層の厚さ | 0.1-0.4mm |
印刷精度 | ±0.1mm |
印刷速度 | 60mm/s |
ノズル数 | 1 |
ノズル温度 | ≤ 250°C |
ノズル直径 | 0.4mm |
ヒートベッド温度 | ≤100° |
フィラメント径 | 1.75mm |
フィラメント | PLA / TPU / PETG |
Ender3は、フィラメントを溶かしてノズルから吐出。
積層して印刷するタイプの3Dプリンターです。
光学式といってレジン液を光で硬化させて造形するモデルとは異なりますのでこれから3Dプリンターを買おうとしている方は覚えておくようにしましょう。
光造形プリンターは、仕上がりが綺麗なためフィギュアのようなものを成形する用途に向いている一方、レジン液の処理や臭いが大変です。
Ender3 V2はフィラメントを積層して造形していくタイプなので取り扱いがカンタン。
さらにABSやTPU系のフィラメントも使えるので強度を持たせたい物を作りたい場合や、造形物に弾力性を求めるなど多用途に使えるのがポイントです。
組立
最初に書きますが、Ender3 V2の組立に1時間45分。セットアップ調整に1時間程度かかりました。
組立時間に関して多分、個人差がありますが、事前に上の動画を作業工程を確認した上で臨むことをオススメします。
開封し同梱物を全て並べてみました。
Ender3 V2は半組立状態で届きます。
かなりのボリュームがあり、そっと箱を閉じたくなってしまうかもしれません。
先ほども書いた通り、組立と調整に時間がかかるので休日の午前みたくまとまった時間が取れる日に作業するようにしましょう。
Ender3 V2の組立に必要な工具やボルト類は全て付属しているので箱を開けるためのカッターだけ持っていればすぐに取り掛かれますよ。
説明書には書いてないのですが、Ender3 V2を組み立てる前に必ず、本体の横と下についているボルトを増し締めしておくようにしましょう。
大事なことなのでもう一度書きます。
Ender3 V2を組み立てる前に必ず、本体の横と下についているボルトを増し締めしておくようにしましょう。
私はこれをやっていなかったため、組み立て後のノズル調整に2度手前、3度手間の時間を浪費してしまいました。
またヒートベッド(温床)がY軸方向に動く際にステッピングモーターに激突してしまうなど調整にかなり苦労しました。
本体のZ軸(上方向の柱)を取り付けたら、やぐらを上下に動かすためのステッピングモーターを取り付けます。
やぐら部分のガイドを取り付けて。
やぐらにベルトを通します。
Ender3 V2のオリジナル装備のベルトテンショナーでテンションを調整します。
X軸の梁をZ軸の柱にセット。
その上からビームをセットしてボルトで固定。
フィラメントリールとエクストルーダー(フィラメント送給装置)のノブを取り付け。
コントローラーの取り付け。
詳細な組立工程はけっこう省きましたが1時間45分かけて完成しました。
電源を入れる前に電圧の切り替えをしておきましょう。
デフォルトでは230Vに設定してあり、このまま起動させると故障となる恐れがあります。
必ず115Vに切り替えておくようにしましょう。
完成したらノズルと温床にA4用紙をおいてノズルの高さ調整をしていきます。
紙1枚の厚さに合わせるんですが、この工程をしっかりやっておかないと、印刷後のクオリティに影響が出てくるので慎重にやっておきたいです。
温床にフィラメントの食いつきをよくするためにスティックのりを塗布しておくのがポイントです。
こちらが初めてのEnder3 V2で印刷した世界で最もプリントされている船。
通称「ベンチマークシップ」です。
屋根の部分が印刷されていないのは、プリント中にEnder3 V2が途中で停止してしまったためです。
その原因を調べるのにかなり苦労しましたが、どうやらヒートベッドがY軸方向に動く際、上側のステッピングモーターにぶつかっており温床とノズルと適切な距離が保てていないことに気づきました。
解決策として、各部のネジの増し締めと、ノズルとヒートベッドのクリアランス調整を行いなんとか問題が解決したのです。
この3Dプリンターの調整だけで2時間ほど時間を要しましたが慣れてくるともう少し早くできるようになってくるはずです。
スライスソフトでstlデータをgcodeに変換する
Thingiversでstlファイル(データ)が無料でダウンロードできることは先に書きましたが、stlファイルのままの状態でそのままEnder3 V2にデータを送っても印刷することができません。
スライサーソフトをPCにインストールし、各3Dプリンターごとに「どうやって印刷していくか」みたいな印刷条件を指定し、「gcode」という拡張子に変更します。
スライサーソフトの使い方に関しては割愛しますが、無料で使える「Ultimaker Cura」というソフトが有名です。
3Dプリンターで作ったもの
前回組み立てた際は、あいにく時間がなく、セッティングだけで終わってしまいました。
後日、完成した造形物をアップしますのでお楽しみに。
特にこのブログは、中華エミュレーターの記事が多く読まれていますが近日中にRG351Mのコントローラーグリップを作ろうかと思っています。
欲しい方は、受注生産しますのでぜひお声がけください。
ピカチュウのフィギュア
Thingiversからピカチュウの3Dデータをダウンロードして印刷してみました。
前回失敗したベンチマークシップもしっかり調整をしたおかげできれいに印刷できております。
最初に付属していたフィラメントはこの3体を作っただけでなくなってしまったので、後日Amazonで1Kgのフィラメントを追加購入しました。
スライスソフトでインフィル設定(モデルの中にどれだけフィラメントを入れて強度を出すかの設定)でもう少し密度を少なくしていれば良かったのです。
とりあえずうまくできて良かったです。
ミレニアムファルコン
ミレニアムファルコンはスター・ウォーズに登場してくる宇宙最速の船です。
ハン・ソロやチューバッカが搭乗している部分は見えませんがモールド部分もしっかり表現されています。
完成までにかかった時間は約40時間とかなりの大作です。
クオリティも高く大満足な結果になりました。
某環境大臣が完成品を見たら「こんなプラを使ってエコじゃない」と発狂することでしょう。
次はデススターやスターデストロイヤーを作りたいと思っています。
ピルケース
ピルケースは薬入れのことです。
痛風、逆流性胃腸炎持ちの私は普段から病院にお世話になっていて投薬治療がやめられません。
旅行に行くときに薬をなくしてしまわぬようピルケースを作ってみました。
YouTubeでも3Dプリンターの活用事例が投稿されています
Ender3 V2はBanggoodでの購入がオススメ
Ender3 V2はアマゾンなどでも売られていますが、メーカーが直販している海外通販で購入するのがオススメです。
特にBanggoodでは、28,000円前後で定期的に販売されており、新規ユーザーはクーポンコードを使うことでさらに割引で購入することができます。
私も商品が発送されてから約6日で受け取りましたが、海外通販をしているにも関わらず商品発送が早いのがBanggoodの強みです。
あなたもぜひ3Dプリンターデビューしてみませんか?
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