全国の暑がりさん、こんにちは。ニューガジェット三昧では毎年、「熱中症対策グッズ」や「暑い夏に身につけると快適なもの」を紹介しています。
過去には、バートル製の空調服やアイスネックリングを紹介しましたが、今年紹介するは「REON POCKET 4」です。

REON POCKET 4は、ソニーが開発したネッククーラーで、「ペルチェ素子」を使用しているのがポイントです。
肌に接触している部分を冷やしてくれるだけでなく、本体下部に搭載したファンがシャツの中の空気を吸い込み外に排出するなど、空調服の簡易版的な機能を持っています。
さらに、ペルチェ素子の特性から冬は、本体のプレートをじんわり温めてくれるので、夏冬の2シーズン使えるのが嬉しいポイントです。

この製品は、一時期Amazonで品切れしてしまうほどの人気ぶりだったのをご存知でしたか?
ブロガーやYouTuberのレビューを見ると、「自分には合わない」という意見と「これは素晴らしい!」と絶賛する声が賛否両論あります。
本当は私も買うつもりはなかったのですが、やはり食わず嫌いはよくないと思い、自腹でREON POCKET 4を購入し、忖度なしに正直なレビューをお届けします。
ファーストインプレッション

Tシャツの下に装着して1日過ごしましたが、家族から「何それ?」と怪しまれることなく過ごせたのが意外でした。
ただ、ファンの風力は最低でも手持ちの扇風機程度の風圧を期待して書いましたが、そんな能力はとてもありません。
背中の一部分しか冷やせないため、本物の暑がりさんにとっては正直、効果が薄いかもしれません。
あとモバイルバッテリーのような外部電源を接続をすると解放される「4+」モードは、常時使えるようにしてほしいと思いました。

スマートモードはタグと連携させることで自動で動作しますが、個人的にはあまり必要ない機能でした。
スマホをコントローラーとして操作できるのは便利でしたが・・・。
【スペック】

商品仕様 | 詳細 |
---|---|
対応機能 | SMART COOL MODE / SMART COOL⇔WARMモード / SMART WARMモード / マニュアルモード / オートモード / マイモード / ウェーブモード / AUTO START/STOP機能 / クイック起動 / USB給電動作 / 風量調節機能 |
最大外形寸法(幅/高さ/奥行き) | REON POCKET 4:ネックバンド3(RNPB-3)装着時 約125mm x 33mm x 140mm、REON POCKET 4本体(RNP-4)のみ 約55mm x 23mm x 117mm TAG:約30mm x 12mm x 65mm |
マニュアルモード温度レベル | レベル1~4, 4+(※2) |
冷却/温熱面素材 | ステンレススティール SUS316L |
REON POCKET 4の防滴シーリング | 冷却/温熱面、内部部品(※3) |
質量 | REON POCKET 4:ネックバンド3(RNPB-3)装着時 約144g、REON POCKET本体(RNP-4)のみ 約109g TAG:約12g |
使用温度範囲(動作環境) | 5℃~40℃ |
通信方式 | Bluetooth 5.0 Low Energy |
対応OS | iOS 13 以上に対応/Android 8以上に対応 |
REON POCKET 4の充電池 | 内蔵型リチウムイオン |
充電池持続時間(※4) | COOL(冷却)動作時 レベル1 約9時間/レベル2 約8時間/レベル3 約7時間/レベル4 約4時間、WARM(温熱)動作時 レベル1 約8時間/レベル2 約6時間/レベル3 約5時間/レベル4 約4時間 |
充電時間 | 約170分(満充電)、約100分(90%まで充電)、充電端子:USB Type-C |
TAGの電池 | リチウムコイン電池(CR2032)電池持続時間:約1年(※ 同梱のリチウムコイン電池での概算値です。使用状況、環境によっても異なります。) |
TAGのREON POCKET連携対応機種 | REON POCKET 3(RNP-3)/ REON POCKET 4(RNP-4) との連携でREON POCKETの追加機能(SMART COOL⇔WARMモードとSMART WARMモード)の使用が可能 |
内容品 | REON POCKET 4本体(RNP-4) / ネックバンド3(RNPB-3) / USB Type-Cケーブル L型(USB-A – USB-C) / エアフローパーツ / スタートガイド(RNPK-4、RNPT-1) / 保証書(保証対象はREON POCKET本体(RNP-4)とTAG(RNPT-1)) / REON POCKET TAG(タグ)(RNPT-1) / リチウムコイン電池(CR2032) ※USB ACアダプターは付属しておりません。 |
注釈 | ※本商品は医療機器ではありません。 ※1 REON POCKET TAG(RNPT-1)との連携でのみ使用可能です。 ※2 COOL レベル4+はUSB給電時のみ使用可能です。 ※3 汗や水滴の浸入を完全に防ぐものではありません。 ※4 連続使用はCOOLが8時間、WARMが1時間で一時停止します。 |
ペルチェ素子とは
ペルチェ素子は、電気エネルギーを使って温度差を生み出す素子のことです。これは電気と熱の相互変換を利用して、一方の面を冷やし、他方の面を温めることができる特殊な素子です。
ペルチェ素子は一般的にセミコンダクター材料でできており、特にビスマス・テルル化物などの材料が一般的に使われます。この素子は一つ以上のN型半導体とP型半導体が交互に連結された構造を持っています。
素子に電流を流すと、電流が通る方向に応じてN型半導体とP型半導体の接触面で熱が発生します。
この熱は一方の面に集まり、他方の面に放熱されるため、片側が冷却される一方で、他方が温められるという効果が生じます。
この特性を利用して、ペルチェ素子は冷却装置や温度制御装置などに応用されます。
例えば、冷蔵庫や冷凍庫の冷却装置、電子機器の冷却ファン、電子レンジの温度制御などに使われています。
ただし、ペルチェ素子は効率が低いため、大きな温度差を生み出すことが難しいという欠点もあります。
そのため、高い冷却能力を求める場合は、他の冷却方法がより適していることもあります。
総じて、ペルチェ素子は小規模な冷却や温度制御に適した素子であり、電気と熱の相互変換を利用した特殊な技術として応用されています。
開封と外観をチェック

こちらがREON POCKET 4のパッケージです。
ソニー製品は以前に購入したPS5やイヤホンのXMと同様に、再生紙を使用したパッケージではありませんが、シンプルな日本製スマホのような外観でした。

付属品は以下の通りです。
付属品
- REON POCKET 4本体
- タグ
- エアーダクト
- Type-Cケーブル
- 取扱説明書
- 保証書


本体の下部にはSONYのロゴが入っていて中華ガジェットとはちょっと違いますよ感が漂ってます。

REON POCKET 4からネックバンドが付属することになったようです。
バンド部分はフレキシブルとは言いませんが、角度をある程度好みに変えることができます。

写真だと中が見にくいですがノートパソコンのファンのような物が入ってます。

吸気口から服の中の熱を吸い込んで・・・。


上部の排気口から熱を逃す。
ゲーミングPCみたいな排気口ですよね。

本体の右側には電源ボタンと充電のためのType-C端子があります。

本体裏側にはペルチェ素子のプレートが付いています。前モデル(REON POCKET 3)と比較して、冷却プレート部分が広くなったとのことです。
タグは本体をコントロールするリモコンではなく、周囲の気温・湿度・加速度・照度を測定するためのツールです。


これらのデータを読み取り、REON POCKET 4の使用者に最適な温度を設定してくれる役割があります。

タグの右側にペアリングボタンがあり、押すとブルーに点滅します。

クリップ式になっていて、パンツのポケットやバッグに引っ掛けて使用します。
ただし、クリップ部分が全てプラスチック製であるため、歩行中に何かに引っ掛けてしまうとクリップが折れてしまい、紛失の可能性があります。
REON POCKET 4の使用方法
REON POCKET 4はスマホから操作します。まず、スマホに「Reon Pocket」というアプリをインストールします(無料)。


インストールが完了したら、REON POCKET 4本体とタグを機器登録するだけです。本体とスマホのペアリングが成功するとアップデートが開始されます。
アップデートは約10分程度で完了するはずです。


オートスタートなど便利な機能がありますよ。
本体操作



REON POCKET 4で使えるモードは以下の4種類です。
REON POCKET 4の温度設定について
- COOL(1〜4まで冷感をコントロールできる。また、冷感を自動コントロールもできる)
- ファンの風量コントロール
- SMART(COOLとWARMもモードを自動で切り替え)
- WARM(冬に使うモード)
装着

REON POCKET 4を装着して正面から写真を撮影しました。Tシャツだとネックバンド部分が見えますが、ワイシャツを着るとネックバンドは完全に隠れます。

装着している本人は、首裏の厚みが気になりますが、家族の前で1日装着しても何も気づかれませんでした。

REON POCKET 4は、シャツの内側の空気を首裏から排出する機構になっています。


ただし、ワイシャツやフード付きの服を着ると空気排出口がふさがれてしまいます。
そんな時に使うのが付属のエアロパーツで、Tシャツを着て使うとZガンダムのように見えます。

排熱口が塞がらないようにネックバンドの角度を調整しましょう。
襟のついたシャツだと確実に排熱口を塞いでしまうので、こんな時に使うのが先ほどのエアロパーツというわけです。
連続使用時間
REON POCKET 4の最大使用時間は、レベル1で9時間。
レベル4で4時間となります。
WARMモードはまだ使用したことがありませんが、冬はホッカイロみたくポカポカしそうです。
ただ、ペルチェ部分が肌に密着することから、冬に長時間使用すると低温ヤケドしてしまいそうなので注意が必要です。
使用感

正直な感想を述べるなら、YouTuberのステマに引っかかってしまい、買って失敗しました。
ただ、もしかしたら冬に使うと意外に暖かいかもしれないので、しばらく処分せずに保持しておこうと思います。

電源をオンにするとすぐに金属プレートが冷たくなるのはいい点ですが、肌に接触する面積が少なすぎて体全体は冷えることはありません。
また、シャツの中の空気を外に排出してくれるファンもついていますが、空調服までの性能がないことはわかっていました。
せめて、手持ちのハンディー扇風機ぐらいの静圧力(空気を引っ張る力)が欲しいところですが、いかんせん弱すぎます。
おそらく、本体に搭載されているファンは、ペルチェ素材の冷感の反対側をクールダウンさせるためのものだと理解しました。
ペルチェ素材は、片面が冷たくなると反対面は熱くなるという特性があります。
この熱くなった面を冷却するためにファンがついているのだと考えられます。
REON POCKET 4は、暑い屋外で使っても十分な冷感を得られないかもしれません。ただし、ないよりはマシなのは確かです。
オフィスなどで内勤作業をされる方には十分な性能ですが、体全体を冷やしてくれるわけではないので、商品紹介で謳っている「着るエアコン」みたいなキャッチコピーに惑わされないように注意が必要です。
オフィスで男性と女性でエアコンの温度設定で喧嘩になることがあるかもしれません。

部屋の温度を上げさせてくれず困っている男性陣にはオススメしたい製品です。
REON POCKET 4があまり冷たくないと感じる場合は、「4+」モードを試してみてください。

REON POCKET 4に物足りなさを感じる方は、本体にモバイルバッテリーを接続して使用してみると、「4+」モードが解放されます。
これは通常のレベル4よりもさらに冷たいモードということですが、その分、バッテリー消費が激しいため、封印されていると思われます。
通常の4モードでは物足りなさを感じる方には、常時使えるよう機能開放を希望したいところです。

もしかしたらアメリカのgithubに有志が4+モードを普通に使えるapkファイルを公開してくれたら嬉しいな。
まとめ

REON POCKETは2023年で4作目ですが、年々性能が向上しています。2024年も新型が登場する可能性がありますが、REON POCKET 4を使ってみて、大きなスペックアップは期待できないと考えています。
REON POCKET 4が熱中症対策に有効かというと、正直なところ、あまり効果はないと思います。あまり暑すぎる環境では、製品の良さを実感できないでしょう。
REON POCKET 4を満足して使用するには、春から初夏、または夏から秋の季節の変わり目に使用するのがおすすめです。
もし興味がある方は、以下のリンクからチェックしてみてください。
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