2022年のベストヒット中華ゲーム機は、「Miyoo mini」でほぼ確定の件ですが、どうやらその牙城をおびやかすかもしれないニュータイプが出現しました!
その名は「ANBERNIC RG353V」。
RG353Vは、前作「RG351V」の実質の後継機にあたるマシン。
そして2022年にヒットしたMiyoo Miniの強力なライバルとして10月に発売されました。
発売は、これまで品質の高い中華エミュレーターを数多くリリースしてきたANBERNIC製。
ビルドクオリティはもちろんのこと、ユーザーの使いやすさを追求したデザインはまさに折り紙付きです。
今回のモデルは少し複雑な仕様となっており、RG353Vには、2つのラインナップが用意されているのが特徴です。
- AndroidとLinuxのデュアルOSを搭載
- PS2、GameCubeまで対応(快適に遊べるかは別問題)
- Google Playのアプリをインストールできる
- Linux OSのシングルOS
- ドリームキャスト、NIntendo 64までのハードが遊べる
今回のレビューではRG353Vの使用感、FW(ファームウェア)について解説していきます。
今回はANBERNICさんから商品提供してもらってるけど、RG353Vの方がみやすくてAndroidアプリも使えて便利!
これから買うなら絶対にRG353Vだけど、Miyoo Miniみたいなカリスマ性があればもっと輝くだろうというのが率直な感想です。
- Miyoo miniを上まわる性能
- コンパクトで軽くてどこでもゲームができる
- RG351Vの後継機を探している人にオススメ
- TVに映してゲームができる
- PCゲームのコントローラーとしても使える
- Linux、Androidのどちらで使ってもUIがシンプルで使いやすい
- YouTubeやツイッターも見れる
- PCゲームコントローラーとしても使える
- 3.5インチディスプレイは老眼勢にはちょっと厳しいかも
- モノラルスピーカーなので音質がイマイチ
スペック
製品名 | RG353V | RG353VS |
---|---|---|
システム | Linux/Android 11(デュアルOS) | Linux |
ディスプレイ | 3.5インチ IPSディスプレイ | 3.5インチ IPSディスプレイ |
画面解像度 | 640 × 480 | 640 × 480 |
タッチスクリーン | 〇 | × |
SoC | RK3566 1.8Ghz | RK3566 1.8Ghz |
RAM | 2GB LP DDR4X | 1GB LP DDR4X |
ストレージ | ①Linux 16GB + ②ROM用スロット + ③本体内蔵(Android)32GB | Linux 16GB |
大きさ | 126mm×83mm×21mm(実寸値) | 126mm×83mm×21mm(実寸値) |
重さ | 180g | 180g |
バッテリー容量 | 3,500 mAh(6時間程度) | 3,500 mAh(6時間程度) |
充電 | USB Type-C | USB Type-C |
素材 | ABS樹脂 | ABS樹脂 |
スピーカー | シングル | シングル |
イヤホンジャック | ○ | 〇 |
バイブレーター | ○ | 〇 |
Wi-Fi | 2.4/5G Wi-Fi対応 | 2.4/5G Wi-Fi対応 |
Bluetooth | Bluetooth 4.2対応 | Bluetooth 4.2対応 |
HDMI | 〇 | 〇 |
対応エミュレーター | PSP、DC SS、PS1、NDS、N64、CPS1CPS2、CPS3、FBA、NEOGEO、GBA、GBC、GB、SFC、FC、MD、SMS、GG、MSX、PCE、WSC、N-Gage、移植ゲームなど20種類以上 | PSP、DC SS、PS1、NDS、N64、CPS1CPS2、CPS3、FBA、NEOGEO、GBA、GBC、GB、SFC、FC、MD、SMS、GG、MSX、PCE、WSC、N-Gage、移植ゲームなど20種類以上 |
SoCはRG353VとVSで共通ですが、RAM、ストレージに若干の違いがあります。
「できること」に関してもVSよりも「V」の方がAndroidを搭載している分、多目的に使えておもしろい仕様になってます。
開封&各部のチェック
先にRG353Vには「VとVS」の2種類あることをお伝えしました。
名前は違えど、外装パーツは共通なのでまずは角部の質感などチェックしていきましょう。
こちらがRG353Vの付属品です。
2021年ごろからガラスフィルムとクリーナーが同梱するのがトレンドです。
RG353Vを子供に遊ばせてあげる場面があるかもしれませんが、ガラスフィルムがついていれば、万が一のときも安心ですね。
もはや説明不要なゲームボーイとスーパーファミコンを2で割ったような衣装(デザイン0です。
大きさ的にはゲームボーイカラーと同程度とされており、Miyoo miniより大きくRG351Vよりも小さい中間サイズでした。
背面を見てみると最初に、目につくのがショルダーボタンのデザインです。
私は本体カラーを白にしましたが黒と白とのコントラストがピアノの鍵盤を彷彿とさせます。
ボタン同士はそれぞれ離れているので押し間違えることはなさそうですね。
RG353Vの上部は左からOTG端子、Micro HDMI端子、3.5mmイヤホンジャックとなってます。
100均とかにHDMI変換アダプターが売ってますがこれにつなぐとTV画面でもRA353Vをプレイできるよ。
下部はUSB-Cで充電するための端子があります。
左にはボリュームボタン。
右にはMicro SDカードスロットが2つついており下側がゲームRom専用のスロットとなってます。
ボタンの押し心地に定評があるABBERNICですが、例に漏れずRG353Vも絶妙な押し心地です。
押した時にフワフワすることなく、またチープなカチャカチャ音は一切なくコンシュマー機顔負けのクオリティと言っても過言ではありません。
最近の中華エミュレーター機にボタンのハズレがないのは素直に嬉しいです。
ただ、もうそういう時代じゃないんだなーと昔を懐かしむ気持ちが溢れてきます。
AndroidとLinuxを切り替えていろんな遊び方ができる
以前紹介したRG353Pのように本機はデュアルOSを搭載。
「Linuxモード」と「Androidモード」の2つをOSを切り替えて使うことができます。
中華ゲーム機初心者には意味が理解できないと思うので分かりやすく説明します。
Linuxモードはこれまでの中華エミュレーターの伝統的なUI(ユーザーインターフェイス)を踏襲しています。
Linux側だとNIntendo 64やドリームキャストぐらいのまでの性能のハードを動かすことができます。
このほか・・・
- CFW(カスタムファームウェア)を入れることで見た目やUIを変更させることができる。
- PSPやNintendo 64など特定のハードが快適に遊べるようになる。
と言った具合に同じマシンでも中身は他のユーザーとは異なるカスタマイズできるのが魅力です。
もちろん私も何度かトライしてますが、やっているうちに面倒になり素の状態で使うのが1番というのが結論です。
ファンクションボタン + 電源ボタン長押し
いっぽうRG353VはAndroid端末としても使うことができます。
ただし、VSは非対応です。
PS2のエミュレーターアプリの「Aether SX 2」やゲームキューブエミュレーターの「dolphin」もプリインストールされてました。
ゲームキューブのスーパーマリオサンシャインを起動。
能力不足で音が少し割れたり、動作がかくつく場面がありました。
つぎにPS2アプリのAether SX 2を起動し鬼武者 2プレイしてみました。
もはや自分にとってPS2のベンチマーク用ソフトになってしまってます・・・
オープニングの布袋寅泰氏のギター演奏シーンから始まります。
この時点からカクカクしていて本編に進んでも快適とはいえないクオリティでした。
感覚的には、RG353Pより若干動きが良いかなと思う場面がありましたがPS2を快適に遊ぶことができる中華エミュレーターの登場はもう少し時間がかかりそうな感じでした。
PS2エミュレーターを動かすのはちょっと酷でしたがGoogle PlayでリリースされているアプリもRG353Vに導入することができます。
上の写真はGoogle Playのゲームランキングで上位の「ダダサバイバー」を起動させているシーンです。
やり方はカンタン。
RG353VにプリインストールされているGoogle Chromeにアクセスし、「気になるアプリ名(ローマ字) +
apk」で検索するとアプリをダウンロードすることができます。
この後のインストールの行程は省略しますが有料アプリ以外は大体この方法で導入することができます。
Android端末は基本的に画面をタップしてプレイしますが、RG353Vにはデフォルトでキーマッピング機能が搭載されてます。
画面上のコントローラーと本機の物理コントローラーを紐づけて操作ができる!
残念ながらダダサバイバーは画面のコントローラーとアナログスティックが連動しませんでした。
ゲームによってはコントローラーでプレイした方が捗るものが絶対あるのでいろいろ試してみると面白いかもしれません。
AndroidのOSバージョンは11と比較的新しく最新のゲームにも対応しています。
ちょっと混乱するかもしれませんが、Android側でLinux側っぽいデザインのフロントエンドを起動することもできます。
これはANBERNICが「打倒 Miyoo Mini!」を目標に作ったであろうフロントエンドです。
どのハードのエミュレーターを使うのか分かりやすくて使いやすいUIでお気に入りです。
Miyoo Miniとの比較
RG353Vは縦型の中華ゲーム機です。
Vはバーチカル(縦)を意味するわけですが、これまでゲームボーイライクな縦型機がいくつか存在しました。
その代表がMiyoo MiniとRG351Vです。
RG351Vは既に手放してしまったため比較ができませんが手元に残っていたMiyoo Miniを並べて比較してみます。
冒頭の写真でお分かりのとおりRG353VはMiyoo Miniにかなりそっくりなデザインです。
画面サイズ的にはRG353Vの方が大きくて小さい文字も読みやすいです。
背面もほとんど同じようなデザインですが、RG353Vのショルダーボタンはボタンとボタンの間にスキマがあるためプレイしていてかなり使いやすく感じました。
「Miyoo Mini」のショルダーボタンを使いやすくする3Dプリンター用データが無料公開
— 吉野@連邦(renpou.com) (@yoshinokentarou) September 3, 2022
これはもはや発明レベルhttps://t.co/UQ4nnNSKP8 pic.twitter.com/IRrRKQp7k1
Miyoo Miniのショルダーボタンをさらに使いやすくするため、3Dプリンターでボタンをカスタムする人がいるくらい熱狂的なファンがいます。
厚みはRG353Vの方が少し厚めですがポケットに十分入るサイズ感です。
両者ともサイズ感は近いですが「SoCの性能」や「フロントエンドOS」の選択肢はRG353Vに軍配が上がります。
Miyoo Miniのレビュー記事にもぜひ読んでください。
RG353Vの価格
RG353VはANBERNICの公式サイトで12,849円です。
2021年10月の為替は今となっては信じられない112円/ドル程度でした。
今後、さらに円安が進むと値上がりする可能性もあり、早めにゲットした方がいいかもしれませんよ。
今回は短めの記事になってしまいましたがもう少し使ってみて使用感を追記していく予定です。
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