スマートウォッチの世界シェアは、Apple Watchが1強状態のなか、Android陣営は、永らく勝者不在といった感じです。
Mobvoi社からリリースされている「TicWatch Pro 5」は、最新のGoogleのWear OS by GoogleとSnapdragon W5+ Genを搭載した最新スマートウォッチです。


TicWatch Pro 5の大きな特徴は、ディスプレイが2層式になっている点です。
有機EL(OLED)とデジタル液晶(FSTN液晶)を切り替えて使うことで最大80時間(約3日間)使用が可能。
今回は、TicWatch Pro 5を2週間近くにわたって使用し、その魅力、使い勝手、そして改善すべき点を探ってみました。
この記事では、TicWatch Pro 5の特徴、バッテリー寿命、アプリの拡張性、そしてその他の魅力について詳しくご紹介します。
この記事は、Mobvoi様より製品提供をいただき作成しています。
スペック

仕様 | 詳細 |
---|---|
OSシステム | Wear OS by Google |
チップセット | Snapdragon W5+ Gen 1 ウェアラブル プラットフォーム |
メモリ | 2GB RAM |
ストレージ | 32GB ROM |
ディスプレイ | 1.43インチ 二層OLEDディスプレイ(466×466ピクセル) |
バッテリー容量 | 628mAh |
バッテリー寿命 | 最大3日(低電力モード) |
急速充電 | 30分で65%充電可能 |
運動トラッキング | 100種類以上のワークアウトモード、GPS、コンパス、バロメーター |
防水性能 | 5ATM(オープンウォータースイミング対応) |
特別機能 | クラウン回転ボタン、音声アシスタント非対応、Strava対応 |
対応アプリ | Google Fit、YouTube Music、Googleマップ |
対応OS | Android (iOS非対応) |
サイズ | 50.15mm x 48mm x 12.2mm |
重量 | 未発表 |
カラー | ブラック、アッシュグレー |
特徴
価格
TicWatch Pro 5は、Amazonで49,999円で発売されてます。
セールで定期的に安くなったりすることがあるので、都度価格をチェックすることをオススメします。
開封と細部をチェック

こちらがTicWatch Pro 5の箱です。

付属品は非常にシンプル。

取扱説明書はオールカラーで見やすいです。
日本語もしっかり収録されてるので初めてスマートウォッチを買う人でも迷わずセットアップできることでしょう。


いきなりペアリングをして使い始めるものいいですが、まずはしっかり充電してからテストしていこうじゃありませんか。
充電ケーブルを指してみたところ、驚く速さで充電が開始されます。

30分で65%充電されるので充電をし忘れた時もすぐにチャージできます。
デザインをチェック

本体は、ブラックを基調としたデザインでどことなくミリタリーテイストを感じる。
実際、米国国防総省のMIL-STD-810Hの規格に準拠しており、温度、湿度、高度、振動、衝撃、耐水などの過酷な環境条件に耐えうる耐久性を誇ります。
アナログ針のウォッチフェイスもいいですが、個人的には、デジタル表示の文字盤のほうが相性がいいのかもしれません。

ベゼルには彫金のような独特の加工がされてます。
ベゼルはステンレス、側面のケースはアルミで輝きに変化があっていいですね。
Apple Watchを意識しているのか、竜頭にはワンポイントの赤いラインが入っております。

無骨さのなかにピリッとアクセントを感じますね。

ベルトは、24mmのシリコン製です。
付属のベルトは、ホコリが目立ちやすいので後日、金属バンドもしくはNATOバンドあたりに変えようかと思ってます。

前モデルのTicWatch Pro 3 GPS ULTRAのバンド幅は22mmなので使い回すことができず、新たに買い替える必要があるようです。

TicWatch Pro 5の最大のメリットである最大80時間のバッテリー持ちは、この2層式(FSNTとOLED)のディスプレイから生まれます。
上の写真のようなOLEDディスプレイで表示してないときも、バックライトが光るので暗い場所でも視認性に優れてます。
ウォッチフェイスをチェック
iPhoneには非対応です!
スマートウォッチの楽しみは、お気に入りの文字盤を探して、そのときの気分によって変えることができる点です。
スマートフォンとの連携は、Googleの「Ware OS」でなく、Mobvoiの独自アプリ「Mobvi Health」で行います。
ここで少しややこしいのですが、文字盤をダウンロードするには、「Mobvoi Health」の中にある「TimeShow」からダウンロードしていきます。




TicWatch Pro 5の面白いところは、ウォッチフェイスのダウンロードカタログから有名ブランドの文字盤が普通にダウンロードできる点です。
これまでスマートウォッチを数台レビューしてきましたが、ちょっと裏技を使ったり、面倒な処理をしないとカスタムウォッチフェイスをできないものが大半でした。

有名ブランドに興味がある方にとっては、スマートウォッチの選択の決め手の1つになるかもしれませんね、
睡眠測定の精度は?




睡眠測定は、なかなか優秀でApple Watch Ultraと誤差は、ほぼありませんでした。
睡眠の総括をコメントしてくれるのですが、ちょっと変な日本語なのが気になりました。
このようにApple Watchでも計測できる項目を網羅しているので、iPhoneユーザーがAndroidに乗り換えてもこれまで通りデータを取ることができます。
また、睡眠データは、Google Fitにもデータ同期されるので、Androidユーザーがこれまで別のスマートウォッチをつけていたとしてもスムーズにデータ移行ができるはずです。
フィットネスデータ

どれだけその日をアクティブに過ごせたかは、Mobvoi Healthアプリからチェックできます。
上の写真は1日の大まかなアクティビティデータの概要です。
また、TicWatch Pro 5は、100種類以上のワークアウトのデータ記録も可能です。


こちらの画像は、12月に屋外ウォーキングをした時のデータです。
必要最低限のデータを俯瞰することができ、後からデータ分析にも役立ちそうですね。


さらにケイデンス、歩幅、ルートなど、これもまたApple Watchと同等のデータを取得することができる点に驚きました。
Google Playストアの拡張性もあり
TicWatchには、Google Playストアを使えるので機能を後から拡張できます。
ダインロードできるのは、Wear OSに対応にしたアプリのみ可能。例えば原神のようなゲームは追加できず。主にウォッチフェイスアプリやGoogle系、フィットネス系のアプリに特化している印象です。

ちなみにApple Watchほどラインナップは多くない印象です。
ただし、LINE、GoogleKeep、Google Map、ヤマレコ、Amazon Music、Spotifyなどの評判なアプリはストアに用意されてました。
バッテリー持ちが悪いPIXEL Watchと同じPlayストアを利用できるので、移行先のスマートウォッチは、TicWatch Pro 5がおすすめです。
データ比較と使用感


さて、TicWatch Pro 5を装着して2週間過ごしてみました。
1週目は、左手にApple Watch Ultraで右手にはTicWatch Pro 5を装着。

翌週はその逆のパターンで性能をチェックしてみましたが、ぶっちゃけ部下にドン引きされてました。
それは、ともかくTicWatch Pro 5の歩数に関しては、Apple Watchと比較して300〜500歩ほど多めに計測されました。
本当は、どちらが正確なの言及できませんが、別のスマートウォッチと比較してもやはり若干多めに歩数が計測されました。
私は普段、営業職をしておりますが、どうやら渋滞中の徐行運転が歩数カウントの増加につながっていると考えました。
以下のデータは、2023年12月13日のデータですが、夕方の渋滞にハマり歩数に大きな乖離(かいり)がでてしまいました。

その差は約1,600歩分!


他のの日のデータは、ほぼ同じような歩数に収まったので、基本的な性能は優秀だと考えております。
バッテリー持ちについて
バッテリーの消費は、使い方にもよりますが、ワークアウトなしで計測項目をフルに設定した状態だと1日に約30%ほど消費します。
つまり、4日程度、充電なしで使うことができるので、この部分に関しては、単純にApple Watch Ultraさえ凌駕するといった感じです。
スマートウォッチで決済できるが使えるカードが決まっている
ここ数年、電車を利用するときはSUICAを使うことが多く、切符を買う時間が勿体無いぐらいに思うようになりました。
TicWatch Pro 5は、「Google Wallet」に対応したスマートウォッチで、ついにSuicaも使えるのかと期待しましたが、使えないのが実情です。

Felicaチップを搭載させるにはメーカーが高いお金を払わないといけなく、Galaxy Watch 6の韓国版でさえSuicaは使えないんだとか・・・。
一方、Google Wallet決済を通してクレジットカード払いはできるようです。
ただし、クレジットカードの会社によってはGoogle Walletに対応していなく、自分のPayPayカード(Visa)、楽天カード(Visa)、ANAカード(Amex)を登録させようとしましたが、受け付けてくれませんでした。
Mobvoiについて
Mobvoiは、主にウェアラブルデバイスやコンシューマー電子製品を製造・販売している中国のテクノロジー企業です。
2012年に設立されたこの会社は、特にスマートウォッチやイヤホン、AI技術に焦点を当てています。
MobvoiはそのTicWatchシリーズのスマートウォッチで最もよく知られており、これらの製品はGoogleのWear OSを採用しています。
また、Mobvoi EarBuds ANCという独自のイヤホンも発売しております。
まとめ

今回は、Mobvoiのフラッグシップモデル『TicWatch Pro 5』を紹介しました。
いくつかの欠点を指摘しましたが、ネガティブな面よりも素晴らしさの方が際立つビルドクオリティの高いデバイスだと感じます。
二層ディスプレイは、ほかのスマートウォッチになり差別化ポイントで充電なしで4日のバッテリー性能は合格点だと言えます。
iOS非対応は残念な点ですが、iPhoneユーザーには「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」も選択肢としておすすめです。
TicWatch Pro 5は、Androidユーザーに試していただきたい1本で、特にアウトドア系の趣味を持っている方や建設業、工場勤務など体を動かす仕事をしている人に似合うはずです。
FeliCa非搭載などの一部弱点はありますが、全体として見るとWear OS搭載スマートウォッチの中でトップクラスの性能を誇ります。
Pixel Watchシリーズよりもバッテリー持ちが良く、価格も手頃であり、次世代モデルの登場が待ち遠しい、優れたデバイスです。
あなたもTicWatch Pro 5デビューしてみませんか?
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