ここ1、2年で多くのUMPCがリリースされましたが、UMPCと相性が良いと評判なのが「ARグラス」です。
アイウェア型のモニターは数年前まではVR型だったり、サイバーパンクなデザインのものが多かったんですが、技術の進化でスタイリッシュ、かつスリムになりました。
これ系の商品は、今回紹介する「XREAL Air(旧Nreal Air)」をはじめ「Rokid Air」などさまざま。
でも、XREAL AirはARグラスとして2022年にリリースされ、このカテゴリーのパイオニア的存在なんです。

ネットで評判を調べたところ、満足度が1番高いのがXREAL Air。

今回は自腹で購入してみたので使用感を正直にレビューしてみます。
ちなみにXREAL Airの拡張デバイスとして「XREAL Beam」がAmazonや楽天などでも買えるようになってきました。

XREAL BeamはワイヤレスでNintendo Switch、PS5、iPhone、iPadといったデバイスに接続できるようになる追加のオプションデバイス。
初代iPodをオマージュしたようなデザインになってますが、まだ発売されたばかりか、映像がカクついたり途切れたりするなど未完成な部分もあるんだとか・・・。
Androidベースで動いているようなので今後のアップデートでXREAL Beam単体で使えるようになったら買おうかと思ってます。

私は基本的に普段あまりゲームはやらず、どちらかといえば、動画を見たり執筆にXREAL Airを使いたいです。
Beamは、当分様子見しようかな。
スペック

スペック | 詳細 |
---|---|
製品名 | XREAL Air |
ディスプレイサイズ | 130インチ空間ディスプレイ |
ディスプレイ技術 | 高精細な光学技術とコンピュータビジョンテクノロジー |
解像度 | 高品質な画像表示(詳細な解像度は未公開) |
重量 | 約79g |
インターフェース | USB Type-C |
背景透過 | 可能 |
対応デバイス | Galaxy、PixelなどのAndroidスマートフォン、MチップシリーズのMacBook、Nintendo Switch、PS5などHDMI対応ガジェット |
専用アプリ | Nebulaアプリ |
専用アダプター(iPhone用) | XREAL AdapterとApple純正のDigital AV変換アダプタが必要 XREAL Beamも使用可能 |
使用モード | Air Casting(ミラーリング)、バーチャルデスクトップ、AR Space |
音質 | 指向性スピーカー搭載、イヤホンの使用を推奨 |
視力配慮 | 低ブルーライト、フリッカーフリー、度付きインサートレンズ対応 |
電源 | 接続先のデバイスのバッテリーを利用 |
オプション | XREALのオフィシャルパートナーから度付きのインサートレンズの注文可能 |
XREALAirとは

XREAL Airは、PC、ゲーム機、スマホ、タブレットの映像をType-Cケーブルを介してグラスに投影できるサングラス型のモニターです。
79gと軽く、装着していても周囲からあまり違和感を感じないデザインのため、ここ1年で急速に市民権を得たプロダクトです。
なかでもXREAL(旧Nreal)は日本で販売されているスマートグラスの年間売上が約244.2億円とトップクラスの人気を誇っているんだとか。
2023年3月にブランドイメージを一新すべく、製品名もNreal AirからXrREALAirに変わりました。

グラスの内部には小型の有機ELディスプレイが内蔵されており、レンズの屈折で目に映像を投影します。


グラスを上部から見るとディスプレイが仕込んである部分が若干、分厚く感じることでしょう。

XREAL Airのキャッチコピーは300インチのディスプレイを目の前に投影することができる。
新幹線や飛行機での移動中にXREAL Airと様々なデバイスの組み合わせで豊かな時間を過ごすことを目的に開発されました。
また、デバイスからの情報をただ投影するだけでなく、Nebulaアプリをインストールした端末と使用すると最大で仮想空間にセカンド、サードモニター・・・。
つまりトリプルモニター表示させるといった用途もでき、出張するときなどモバイルモニターを持ち運ぶ必要がなくなるなど多くのメリットがあります。

ただ、私の行動範囲が狭いだけかもしれませんが、いまだ外で使っている人を見たことがないんですよね。

細部をチェック

レンズをのぞくと、最大でフルHD画質(2K)の映像が大画面で表示されます。
こればかりはブログ記事内の写真や動画ではお伝えできず残念です。
サングラスデザインなので映像を半透過状態で映すことができるので(やろうと思えば)歩きながらも使用できます。
正面のグラスレンズ越しにうっすら見ているコンテンツが表示されます。

人と話しながら使用する場合、距離によっては今自分が何を見ているのかバレるなんてこともあるかも・・・。
コンテンツにもっと没入したい場合は、サングラスの外側に目隠しシェードを取り付けることで映像のみを投影できます。

メガネのツルの部分には指向性イヤホンが搭載されてます。

音質に関しては正直期待できず、おまけ程度と考えておくといいでしょう。
音質にもっとこだわりたいという方は、有線イヤホンや、Bluetooth経由でヘッドホン、スピーカーに接続することをおすすめします。
XREAL Airの視力矯正レンズを作ってみた


普段メガネをかけている人がXREAL Airを使用する際は、裸眼、もしくはコンタクトを装着した状態で使用するのがベストです。
コンタクトを持っていない方は東京のJUN GINZA(ジュン銀座)という眼鏡屋さんでXREAL Air用の「インサート(矯正)レンズ」を作ってもらうことができます。
矯正レンズを製作する費用は約8千円程度とのことですが、地方に住んでいる方にとって、高い交通費を払ってまで東京にレンズを作りに行くのは大変ですよね?
そんな方は、AmazonのJUN GINZA(ジュン銀座)さんのショップページで正レンズを作ってもらうこともできます。
商品購入後に検眼データをやり取りすることで1週間〜2週間でレンズが届くそうです。
なお、私の場合は、Aliexpressで視力矯正レンズを作りました。
Amazonでは費用が1万円かかるようですがAliexpressならセールクーポン、コインなどを併用して約3,500円。
しかも注文から約5日程度で届いたので本当にびっくりしました。

海外通販上級者はAliexpressで矯正レンズの購入をおすすめします。
Aliexpressの使い方やおすすめ商品に関してはこちらの記事をチェックしてみてください。
使用感

まず、Nebulaアプリに対応してないデバイスに接続すると、投影画面が常に目の前に貼り付いたままの状態で映し出されます。

最初は、「おっ これいいじゃん!」って思うんだけど、ずっと使用してると目や精神が疲れてきます。
これについては、いろんなブロガーやYouTuberが言及してるんだけど、私もこの意見に完全にアグリーです。
3 DoFといって「現実世界のように画面から目を背けると映像が視界から消える」ようなモードを標準で搭載して欲しかったです。
この状況を解決するには現状、XREAL Beamを買うしかなく、どう考えてもXREAL Beamを買わせるための布石としか考えられません。
ずっと画面追従してくれてもいいんだけどブレ補正みたく、少し遅れて画面が追従してくれるような機能をつけてもらえるともっと良いかな。
この機能もXREAL Beamに搭載されているらしい。

対面に人がいた場合、角度によってはジッと見つめているような印象を与えかねない点に注意!

「META Quest 2」はこの辺の配慮がけっこう行き届いているんだけど、数年前に買った「Goovis Cinego」はXREAL Airと同じ挙動のため、すぐに手放してしまったことを思い出しました。
XREAL Airの視野角は46度なのですが、普段からMETA Quest 2を使い慣れているユーザーからしてみるとちょっと物足りなくなること間違いなしです。
と、ここまではネガティブな話ばかり書きましたがXREAL Airを使用していいなと感じた場面をまとめてみました。
良いと感じたところ

そんなの当たり前だろ!っていう項目ばかりですが、実際に使用してみると本当に便利です。
冒頭でも書いた通り、中でもUMPCと相性がよすぎで画面が小さくて字が読めないという「老眼勢に救世主あらわる!」といった感じです。
私の主な用途は、近所を散歩、というか運動を兼ねてウォーキングする時に使ってます。

これまでウォーキングする時は、Podcastや音楽を聴きながら、なんとなく「早く終わりたい。早く帰りたい」となんとなく運動してましたが。
いや、運動というか苦行といっても過言ではありません。
そんな面倒な運動時にXreal AirでYouTubeやAmazon Primeの動画を見ながら散歩するようにしたところ、「苦行感」は一歳感じなくなりました。
ただし、夜間にXreal Airを装着して田舎道をウォーキングしたところ、メガネ内の画面照度の方が明るすぎて、田んぼに落ちそうになりました。
夜の街中で使用する分には問題ないと思いますが交通量の多い場所を通る際にはくれぐれも注意していただきたい。
あと、XREAL Airを寝ながら使用して、何度か寝落ちしたことがあります。
ただし横向きになるとメガネタイプなので耳に掛ける部分が枕と頭に挟まれる ので注意!
アクティベーションについて

XREAL Air使用時の最初の関門は、アクティベーションです。
私も公式が対応しているスマホを持っていなかったため、アクティベーションに難儀しました。
もし、対応スマホを持ってないという人はスマホのブラウザーから「nebula apk」を検索しダウンロードすると使えるかもしれません。

もちろんiPhoneには対応してません。
この方法を使うことができるのはAndroidスマホのみです。
ただし、私が所有しているXiaomi 11T Proはapk経由でインストールしたものでもアクティベーションできませんでした。

その理由は11T ProがType-C端子からの画像出力に対応してないから。
旧型でもいいのでGalaxyのような端末を用意することをおすすめします。

私は、結局、M1チップ搭載のMacにNeburaアプリをここからダウンロード後、無事アクティベーションに成功しました。
今ではブラウザー上でアクティベーションのほか、ファームウェアアップデートができます。

こんな流れです。
- 本体とPCをType-Cケーブル経由で接続。
- ブラウザー上でXREAL Airと接続をクリック。
- MCUアップデートののち、ファームウェアアップデートといった順で
- MCUアップデート。
XREAL Airの価格
XREAL AIrの価格は2023年7月末ごろより45,800円から49,800円に値上がりしました。
値上がりしたばかりでこれ以上の値上げは当分ないと思います。
まとめ

Xreal Airは、軽量で背景透過が可能なサングラス型モニターで、想像以上の高画質表示に誰しもが驚くと思います。
本機は、外出先での映画鑑賞や仮想デスクトップとしての利用、AR Spaceの体験など、様々な使い方ができます。

Amazon価格49,800円で3枚の仮想モニターをゲットできたかと思うと非常に良い投資だと思う。
というか大画面のモニターを買う時代は、あと数年で終わる可能性すら感じました・・・。
いっぽうで、視野角の制約やアクティベーションの難しさ、安定性や音質の課題もあります。
Xreal Airを購入する際には、これらの特徴や使用感を考慮し、自身のニーズに合った選択をすることが重要です。
Xreal Airは、これからのAR体験の一端を担う革新的なデバイスであり、今後の進化にも期待が高まります。
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