先日、いつものようにAliexpressを眺めていたところ、なんとも面白いモバイルバッテリーを見つけてしまいました。
まずは、その製品がどんなものなのか、こちらのショート動画をご覧ください。
はい、いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介するのは、AliExpressで5,000円くらいで販売されている「Q88」という製品です。
なんだかワクワクする製品だと思いませんか?一体どんなものなのか、気になりますよね?
というわけで今回は、MagSafeに対応したワイヤレスモバイルバッテリーでありながら、ゲーム機としても使えるという、なんともユニークな「Q88」を詳しくご紹介していきたいと思います。
Q88のスペックと特徴

カラーは、シルバー、グレー、ブルー、そしてグラデーションカラーの4種類が用意されています。
バッテリー容量は5,000mAh。
これは、例えばiPhone SE第3世代であれば約2回、最新のPro Maxシリーズでもおよそ1回分の充電が可能という容量です。
ワイヤレス充電は最大15Wに対応しており、USB-Cでの充電は最大20Wとなっています。
本体の寸法は、W112.3mm × D68.4mm × H15.2mm(液晶画面を含む)。画面サイズは2.8インチのIPS液晶です。
そして、このQ88で遊べるゲームハードの種類ですが、なんと以下の10種類に対応しています。
- GBC(ゲームボーイカラー)
- GBA(ゲームボーイアドバンス)
- GB(ゲームボーイ)
- FC(ファミコン)
- FBA(ファミコン互換機)
- NES(海外版ファミコン)
- MD(メガドライブ)
- MAME(アーケードゲームエミュレーター)
- CPS(カプコンプログラミングステーション)
- SMD(スーパーメガドライブ)
これだけの種類のゲームが遊べるのは驚きですよね。
ただし、注意点として、このQ88にはmicroSDカードが挿入されており、その中に独自のOSが入っているため、Q88単体では動作しません。
開封と外観チェック

パッケージは両面カラー印刷で、開ける前からワクワクさせてくれるデザインです。
裏面には何やら型式が書かれていますが、型番は「L9」と記載されてました。
製品名はQ88なのに、少し不思議な感じがしますが、中華ガジェットならでは、という感じでしょうか。

今回、私はグラデーションカラーを選んでみましたが、メタルシェルに丁寧な塗装が施されており、非常に質感が高いです。このメタルの重厚感と、継ぎ目のないデザインが相まって、高級感すら感じられます。
ちなみに、本体の重量を測ってみたところ、217gでした。

背面は透明なポリカーボネート製で、内部の基盤や充電コイルが見えるようになっており、これがまた何とも言えずセクシーです。
両面ともにデザインが優れているため、これを見ていると、モバイルバッテリーなのかゲーム機なのか、時々わからなくなってしまうことがあります。



ゲーム性能ばかりに目が行きがちですが、AirPods ProやApple Watch Ultraもワイヤレス充電できて感動しました!

側面には、バッテリー容量である5,000mAhの表記があり、「Q88」が時折モバイルバッテリーだということを思い出させてくれます。

反対側には、20Wに対応したPD端子と、本体にデータアクセスするためのType-C端子があります。
そして、その隣にはmicroSDカードスロットが配置されています。
次に、気になるボタンの押し心地ですが、実際に触ってみた瞬間、

「これはもしかして、中華ゲーム機で有名なメーカーANBERNIC製品が下請けに製品販売の権利を売ったんじゃないか?」
と想像してしまうほど、ANBERNIC製品に似た感触があります。

これは実際に触ってみないと伝わらないかもしれません。
製品パッケージの型番が違うことも、そういった想像を掻き立てる要因の一つです。
というのも、中華エミュレーター業界で有名なANBERNIC系のマシンによく見られる、高反発のボタンが採用されているんです。
触っているとプチプチとした押し心地が気持ち良いのですが、十字キーの右と下のキーだけ、若干、押し心地に違和感があります。
おそらく設計上の問題で、十字キー下のメンブレンシートの土台の固定がうまくいっていないのかもしれません。
ただし、接触不良のようなことはないので、安心して使えると思います。
そして、LRのショルダーボタンが本体の右下に配置されており、ボタン配置もABXYが逆になっているという、海外のゲーム機のような設計がされています。


こちら、一見すると普通のストラップに見えますが、実はUSB-C to Cのケーブルになっています。
こういったケーブルは普段邪魔になりがちですが、このように本体に収納されているのは非常に便利だと思います。
電源ON時のUIをチェック

電源を入れると、このような画面が表示されます。
ゲームの他に、電子書籍、映画(動画の翻訳ミスだと思われます)、写真、音楽、設定といった6つの項目が並んでいます。
十字キーを押すと「ポイッ、ポイッ」という音が鳴り、少し気になるかもしれません。
しかし、設定の中に「キートーン」という項目があるので、ここから操作音を消すことができます。
デフォルトの言語は英語になっていますが、日本語にも変更可能です。
その他、画面の明るさや自動画面オフの時間などを設定することができます。

音楽のアイコンの中には、デモとしてイーグルスの「ホテルカリフォルニア」が収録されていたり、動画のアイコンの中にはアジアのアイドルグループの動画が入っていたりと、著作権的に注意が必要と思われるものも含まれていました。
ちなみに本体にはイヤホンジャックやBluetoothが搭載されてないためイヤホンとの接続ができません。
もちろん、ゲームも同様で、英語版や中国語版のROMが収録されていました。



そのまま遊ぶのは問題があるので、過去にROMを吸い出すことができるダンパー(Cartridge Reader)で吸い出したROMを、Q88のmicroSDカードに書き込んで使ってみました。

ゲームをプレイしてみたけど使用感は微妙!?

実際にゲームをプレイしてみた感想ですが、正直なところ、ゲーム機としての性能はそれほど高くありません。
そのため、動作しないゲームや、音が途切れてしまうゲームがいくつかありました。
特にスーパーファミコンのゲームにそういったものが多く見られ、起動すらしないものもあります。
また、ボタン配置もABXYが左右入れ替わっているため、慣れるのに非常に時間がかかりそうです。
というか、「これでわざわざゲームをするなら、中華ゲーム機で遊んでる方がマシだ!」と感じてしまうのは間違いないでしょう。
しかし、ここで改めて思い出してください。
これはモバイルバッテリーなんです。
そう考えると、ゲーム機能の弱点も自然と許せてしまう不思議な魅力があります。
もしゲームを遊ぶとしたら、GBA程度のゲームにとどめておくのが良いかと思います。
まとめ

最近、レトロゲームが再び注目を集めており、スマートフォンでも手軽にレトロゲームが楽しめる時代になりました。
しかし、スマホで長時間ゲームをプレイすると、バッテリーが減ってしまうという問題があります。
このQ88があれば、スマホでゲームをしてもバッテリーを充電できますし、Q88自体でもゲームをプレイできるので、お互いの弱点を補い合うことができる、なんとも不思議な製品です。
中華ゲーム機とモバイルバッテリーが一体になることで、持ち物を一つ減らすことができるというメリットもあります。
正直なところ、このような製品は、使い道や実用性といった理屈はどうでもよくて、「ガジェット好きの心をくすぐる」製品だと思います。
5,000円くらいで購入できて、大体5日ほどで届くので、深く考えずに、まずは一度試してみてはいかがでしょうか?
もし気になった方がいらっしゃいましたら、ぜひチェックしてみてください。
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